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中国服とトレーニングマシン。

◇昨日は本当は、母校の大学で同窓会の総会があって、ロバート・キャンベルさんの講演もあったので、久々に会って話もしたかったし行きたかったのですよねえ。でも結局、時間がとれずに断念しました。
毎月やってる近世文学の研究会が、八月は夏休みということでお休みなのです。各自が集中して仕事ができるチャンスってこともあるのだし、まあ私もそうなのですが、やっぱり同じ専門分野の人と研究に関する話をすることが長期間まったくないと、つまらないしものたりない。
与謝蕪村が芭蕉の句を一日口にしないと、口の中にコケが生えそうだと言ったそうですが、やはり研究に関する話を誰ともひと月以上しないと、似たような気分になるのかも。

あ、私が勉強をしないで遊びほうけてるとカツジ猫が書いたり、私が似たようなことを言ったりしたもんで「大丈夫?」と心配してメールくれた人もいますが、それは寝ないで食べないで一日に30冊ぐらいの資料や本を一気に読みとばすのはもうやめたという意味で、一日10時間ぐらいのいろんな作業は普通にしてますからどうかご安心下さい。て言うか、そんなわかりきったこと、何でわざわざ言わなくちゃならんのだろう、こんなところで、みっともない(笑)。

◇どうやら今日の私はとことん性格が悪い。いや、昨日からかな(笑)。
身体を鍛えるというよりは、体力維持のためにジムに通っているんですが、もと行っていたスイミングクラブとちがって、スタッフやメンバーの皆さんとあいさつもおしゃべりも、あまりしなくていいのが大変ありがたくて、どうにか続けられています。

何しろ前のところは、皆さんめっぽう愛想がよくて、泳いでいても歩いていても声をかけられるので、気が抜けず気をつかい、泳ぎに行ってるのかあいさつしに行ってるのか、わからなくなる気分になることがよくあったものですからね。
シャーロック・ホームズのお兄さんのマイクロフトが入ってる、おたがいがいっさい口を利かないのが規約の「ディオゲネス・クラブ」とやらが、死ぬほどうらやましかったもんです。
そんなら自分があいさつせずに黙っておけばいいようなもんですが、一応そこではそういう文化が成立していて皆さんそれで幸せなのなら、私がこわすのも悪いなあと思うじゃないですか。そういう雰囲気壊してもいいと私が思うのは戦争礼賛と女性差別ぐらいなもんです。あ、動物虐待も入るかな。

他のもろもろの差別も同様と言いたいけど、昨今の中国とかへの悪口を親しい友人がぺらっと言ったりするのには即刻反撃はしないもんなあ。ついつい私も。「ははは、何それ」と笑って、その後アジアンショップみたいなのをネットでさがして、町中歩いて見つけて、私にも着られそうな中国服を買って、今度あいつと会う時に着て行ってやると決意するぐらいで。
そうか、あの中国服、もうちょっと涼しくなったら着られるな。せっかくだから、もう一枚買っておこうかしらん。
実はチマチョゴリもさがしてるんですけどね、けっこう真剣に。でもあれ、中国服と同様、スタイルよくないと着られないだろうしなあ。だいたい、いくらぐらいするものなんだろ。

◇でまあ、おおむねどころか大変に今のジムには満足してるんですが、ただ皆さんそれだけトレーニングに熱心なのはこっちも大変助かるとして、どうかすると、一台しかないトレーニングマシンにずうっと座って何か考えてる人がいる。
最近新しく福岡のそばで開店したお店は、かなり立派という噂で、そんなとこだと、そういうマシンももしかしたら複数あるのかもしれないけど、私が行くこの近くの店だと、一台しかないマシンがそこそこ多い。まあ別に普通ならそれでかまわないんですが。

壁の注意書きにはちゃんと「マシンでの休憩はご遠慮下さい」とあるから、マシンに座ってる時は基本はトレーニングしてろよってことだと思うんですが、まあたまに、座ったままでお友だちとくっちゃべってる人もいて、でもまあそれは何となく私はあんまり気にならない。

でも、ときどき、みょーに深刻な顔でじーっとマシンに座ったまま、精神統一してるみたいな人がいらっしゃいます(私が敬語使い出したら悪口の始まりよね)。昔むかし、まだ日本が野蛮(?)だったころ、誰かのエッセイで「プールでおしっこしてる女の顔は見たらわかる。目の焦点が拡散して、ぼうっとした顔してるから」とかいう文章があって私はそんなの見たことないから知らないけど、まあきっと、それはこういう顔かなあみたいな、妙に放心したみたいな顔。そんでもってマシンも動かさず自分も動かず、ただじっとしてる。

私も時間がない時はけっこうささっとメニューをこなすので、いつまでも一つのマシンがそうやって独占されてるともちろん困る。まあでも何となく解釈してたのは、そういう人って多分真剣に何か筋力アップを図ってるんで、きっとものすごい重さとかの負荷をかけてて、精神統一しないと動かないような苛酷なトレーニングしてるんだろうってことでした。実際わりとそういう人の後に行くと、男女を問わずものすごい重さや強さの目盛になってることがあって「やっぱりなあ」と尊敬しながら目盛を戻す、ということも時々あったし。

◇で、昨日またそういう女性が一人いらして、しかも顔なんか基本的にいちいち覚えてないけど、ひょっとして、この人いつもそうかなあ?という感じの人で、相当長い間、例によって、じいっと座って瞑想しておられて、ときどき思い出したようにちょっと動かしてはまた瞑想状態に入られる。私だけじゃなく、回りのマシンじゃどんどん人が交代してるのに、いつまでもその人だけずうっとそのまま。10分とまでは行かなくても、6、7分ぐらいはおられたんじゃないかしら。
まあもう今日は、あのマシンは飛ばそう、と私が思ってトレーニングを終わりかけたころ、やっと立ち上がって離れられたから、よかったと思ってすぐ行ってみたら、その目盛はいつも私がやってる強さのほんの一つしか上じゃなかった。

いやまあ事情はわかりませんよ。若い健康そうな女性だったけど、どこか具合が悪くていらっしゃるのかもしれないですし、どっちみち、何がどうでもそんなの私の知ったこっちゃありませんし。
たださ、とっさに思ったわけよ。「へっ、この目盛、いつも私がやってる強さとひとつ変わって上になったら、ひょっとしてものすごく重く強く動かなくなるわけ?」とね。「それで、あんなに深刻な顔で精神一到何事か成らざらんみたいな顔で長時間準備して、えいっと動かすしかないほどに?」とか。

で、確かめてみたくて、ついそのままで動かしてみ

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カツジ猫