久しぶりの雨
昨夜遅く外に出ると、雨がふっていました。三毛猫シナモンが死んで初めての雨です。今日も降り続いていて、うすら寒いのですが、彼女の墓と周囲に植えた花を静かに雨がぬらしている情景は悪くありません。
カツジ猫はよせばいいのに庭に出て、金網越しに雨を見ています。おかげでふさふさのしっぽや背中がぬれてしめっています。
連休はどこにも出かけず、家の片づけでもしながら、のんびり過ごそうと思っているのですが、雨だと洗濯物が乾かないので、なかなか冬服と夏服の入れ替えができません。それにしてもまったくどうして、こんなに服が多いのか。着れば着たでクリーニング代が大変だし、まったく悩ましい。
「アナと雪の女王」を先日やっと見ました。うーん、文句なしにきれいだし、楽しめるんですが、あっちこっちの設定や展開が、いくら何でもそりゃ無理だろうという部分がありすぎて、まー、ミュージカルだし演劇だしと思えばいいのかと思いつつ、なんかいまひとつ乗れませんでした。危険な才能をもてあますというテーマ自体、もう何十年も前から竹宮恵子の漫画をはじめ、SFでも何でもとりあげられすぎてるからなー。それはおいても、何かこう、リアルに身につまされたり、普遍的につながったりしてくるところがないんだよなー。
もしかしたら、エルサがおのれを解き放って、氷の城を作るあのきわめつきの場面を、ずっと前から予告でじゃんじゃん流したせいもあるのかしらん、あんまり感動がなかったのは。神秘性が薄らいだ気のする沖ノ島の映像みたいに、いやっというほど見慣れてしまって、あれを最初に物語の流れの中で見ていたら、どうだったんだろうってのが、今となってはどうしてもわからん。
「テルマエ・ロマエⅡ」の方は、前作にまさるアホらしさが大変よかったです(笑)。あんなにくだらん、しょうもない話を、最高の俳優の極上の演技と、正気の沙汰とは思えない贅沢なセットで、大真面目に手を抜かずに語ってくれるのがすばらしい。
毎日新聞の批評では、「日本にローマ軍が攻め込むとか、もっと巨大な悪を作るとか、前作の枠を破ってほしかった」とか書いてたけど、こんなに的外れでわかってない批評もないよなー。そんな手あかのついた、いまどきどこにでも腐るようにある新機軸を出してどうすんの。この映画は温泉街みたいに、どっか怪しげでチンケで、でものほほんと善意に満ちてて、断固として大作にしないというのが身上なのに。
ローマの場面が嘘っぽく見えないのは、金と演技にまかせた力技でしょうが、たとえば日本の温泉の、にせものではない、伝統が作り上げた、あのなつかしく妖しげで重厚でゆるくて卑猥な美しさが、この映画を根底でしっかり支えて、にせものでなくしてる。そこも、ほんとに、好ましい。
まあ、かなり、ひやひやするよな危なっかしいところもあるんですけどね(笑)。でも、全体としちゃこけてない。人も物も、しっかりと所を得て、本領を発揮している。
公開初日に行ったんですが、カップルからお年寄りから子供連れまで、観客が実に多彩でした。そーか、誰でも見られる映画なんだなと、あらためて思った。私の前の席の小さい女の子が、いろんな場面に大うけで声を上げて笑ってましたよ。
なんか、その劇場で、シェイクスピアの「コリオレーナス」のシアター中継かなんかを夕方6時からやってるらしくて、これもちょっと見たいんだよなー。近場だし、仕事が予定通りに進んだら、行ってみるか。