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今日はすっかりいいお天気で

◎三毛猫シナモンの具合もいまひとつなので気になるのですが、券を貰っていたこともあり、今日は門司港にある出光美術館に合戦図屏風の展覧会を見に行って来ました。

最初にあった南北朝時代の作者不明の、乗馬した武士の姿の迫力と躍動感にしばし、くぎづけになりました。次の一の谷と屋島の合戦図も、見ていると馬の蹄の音がとどろいて来そうで、余りに肌に感じる空気感に、もしや自分はどこか体調が悪くて過敏になっているのだろうかと、少し不安になったほどです。(笑)これも江戸時代で作家は不明でした。

しかし、その後の数枚は、巨大で詳細になるので、見て義経や敦盛を見つけるのが「ウォーリーをさがせ!」や「旅の絵本」風に面白く、また授業でよく説明しなければならない、「橋板を引き落とす」のがどういうことかも、ばっちり描いてあって、そこだけ資料にするのにはがして持って行きたいほどでしたが、最初の一枚ほどには圧倒されませんでした。後でまた最初の屏風絵の前に戻って確認したのですが、たくさん描きこむと必然的に馬や人の絵は小さくなるので、その分臨場感が薄まるのでしょうね。
二枚目の絵の那須与一は鋭い目と彫りの深い顔立ちのイケメンに描いてありました。(笑)そんな風に、人の顔もなかなか個性的で、型にはまらない自由な力強さがありました。

帰りは海岸通りを歩き、海風に吹かれて門司港レトロ地区とやらを楽しみました。子どもの頃以来、来るのは初めてでしたが、なかなか魅力的な街になっていましたね。時々また来てみたいと思いながら、お洒落な雑貨店でフックとはさみを買ったら、紅茶とお菓子をご馳走してくれました。

◎フックは、シナモンのいる古い方の家を、彼女が生きている間にと少し片づけ始めている、そのキッチンの壁につけるのです。
庭に近い猫部屋に出していた、大きな丸いテーブルをキッチンに移動させて、一人二人の客なら、ここでおしゃべりできるようにしました。
いつも行く花屋が昨日は休みだったので、スーパーの花屋で安いフリージアの花束を買って、その丸テーブルの上の水差しにさしたら、すがすがしく甘い香りが家じゅうに漂っています。

しかし私は、14年前に死んだ愛猫キャラメルを庭に埋める時、ストックと金魚草をたっぷりお棺がわりのかごに入れてやって、その後も命日にはつい同じ花を供えるのですが、そうなると、その花の香りを春先にかいだだけで、懐かしい甘い悲しみに包まれるのです。ということは、シナモンの最後の日々とこのフリージアの香りも結びついてしまうことはまずまちがいなく、どうも何だかそれもなあ。(笑)

◎ところで昨日の夜に会った友人は、一人暮らしなのにひと箱買った玉ねぎが芽を出しはじめたとあわてて、せっかく遠出して街に来たおしゃれなバッグの中に、玉ねぎ三個を入れて持って来てくれました。

その時一緒にくれた朝日新聞の切り抜きに、例のトークイベントの記事も含めて沖ノ島のことがでかでかと二面か三面ぶちぬきで載っていたのですが、その中で「女人禁制」はバックが緑色の写真でわかりにくい部分に一カ所ちらりと文字があるだけ。

トークイベントの内容紹介でもお二人の「原発は絶対にだめ」「女人禁制がいかんという発想は自由平等民主主義と同様、西欧風のろくでもない考え」「世界遺産など自分は大嫌い」という、皮肉ではなく一番魅力的だった三つの発言は完全にカット。実に無難な内容に編集されていました。私はいっそ、笑ってしまったのですが、朝日新聞もやわになったものですね。

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カツジ猫