何てことだ。
◇一橋大で同性愛を暴露された？ということで学生が自殺したらしい。
https://twitter.com/suiginryuuka
え、この時代に？ととっさに思った私の認識は、まだまだ甘かったのだろうか。
女性（＝男性）差別についても、私はつい自分の若いころと比べてしまって、「ずいぶんよくなった、生きやすくなった」とつい感じてしまって、現在も存在する、または別のかたちで増幅する差別に対して鈍感になりやすい。
やや微妙で危険な発言だと思うけど、人種や性による差別にしても戦争体験とかにしても、ある程度克服されたり改善されたりして、状況が改善し、それが定着して行くと、その少しはよりよい状況の中で保護されて育つ（それはまったく正しい）無防備で弱い人たち（それはとても良質で優れた人たち）を生みやすい。
今度亡くなった学生がそうだったかどうかは知らない。ただ過酷に差別される社会で育った少数派は、私もそうだが、したたかで、ずるくて、絶望しない。あるいは絶望して滅びた人がいても、隠されて消されて無視されて忘れられる。レイプの被害者、戦争体験者にも似たところがある。
◇映画「ライアンの娘」や「黒い雨」を見るまでもなく、戦争から帰った男性の精神的な障害はきっと昔からあった。それがどのくらい多かったかはわからないが。
最近それが圧倒的に多数になり、社会問題になっているのは、文化と文明が進んで人類が、戦争するにはひよわになりすぎたということもあるだろう（それは大変よいことだ）。
よりよい社会を作っていくほど、その社会にふさわしい人が育つ。その人たちは時に弱い。というか、以前の理不尽な社会なら皆が耐えたかもしれない差別や攻撃に耐えられない、耐えない、許せない、許さないほどに強いのだ。
よりよい世界を作ったら、その世界が生み出した、それにふさわしい人たちを全力で守らなければならないと、あらためて思う。
いつもそうであるように、私のこういう感覚は、どっか少し決定的にまちがってるところもあるのかしらないが。
◇オリンピックや高校野球が始まり、プロ野球も優勝のマジックがどうとかで、関係ないけど忙しい（笑）。先日学生と話したとき、ソフトバンクファンの一人が、さして関心のないもう一人に「ギータっていうのがいてね、柳田選手のことなんだけど」と説明しているとき、つい「はいはい、あれをヤナギダと読むのはしろうとなのよね」と口をはさんでしまって、自分であきれた。そう、福岡にいると、カーラジオを聞いているだけで、地元球団の情報がいやでもしっかり入って来てしまう。恐るべしだ。
それにしても４０年ほど前、名古屋にいたころ、毎晩テレビで１０分間ほどやってた、アナウンサーのお姉さんがドラゴンズが勝ったら赤、負けたら白のユニフォームを着てしゃべっていた野球放送は、さすがにもうなくなってるだろうなあ。
関心のあまりない学生の方は、「何で優勝セールとかやるのか不思議」と言っていた。「なかなか優勝が決まらないと優勝激励セールとかやるもんね」と私は言ったのだが、そう言えば昔ホークスが優勝した時に買った、紺色の小さなショルダーバッグどこにしまったかな。
◇そのオリンピックのニュースだが、ラジオもテレビも新聞も、それこそバカの一つ覚えのように日本のメダルの数のことばかり言ってて、国威発揚がいやらしいとかオリンピックの精神がどうとか言う前に、ほんとにもうただ退屈で芸がなくって、うんざりする。
せっかくだからもっとミーハー精神に徹して、各国の魅力的な選手の紹介とかした方が絶対視聴者にも喜ばれるぞ。ついでに、その選手の国の紹介とか、背景にある政治的な状況とかスポーツ育成をはじめとした教育体制とか話したら、カッコいい男女選手にかこつけて世界情勢もばっちり学べる最高のエンターテインメントになるのに、何てもう商売っ気がないんだ企画力がないんだと、こっちは勝手にいらいらする。首相に関する話で私はもう何十ぺんも、バカか悪意かわからんと言ったが、放送界のこの退屈なメダルメダルの大合唱は、首相や防衛相にくみした愛国心あおりとか言うより、ただアイディア枯渇の間抜けなんだと思う。フィギュアのプルシェンコの人気が上昇してから急に、にわか追っかけみたいな番組作っても遅いんだよ。そういう素材は山ほどころがってるのがオリンピックだろうに。取材費用がないのなら、ただもう競技のいろいろを、日本選手のだけじゃなく延々全部流しときゃ、視聴者が勝手に「あの人素敵」とか言って盛り上がってくれるよ。まったくもう何て商売が下手なんだろう。
◇ところで「しんぶん赤旗」の４コマ漫画のオダシゲさん、最近好調だな（笑）。今朝のこれも、面白かった。絶対ありそう。現実に。
