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映画「黒い雨」。

◇例の性犯罪者を持ちあげるタレントたちに、あんまり腹が立ったので、この「まとめ」も紹介しておきます。

http://togetter.com/li/1007511

吐き気のするような茶番を展開した、問題の番組のスポンサーの紹介もあったので、調べてみたら多かったので、とりあえずキリンビールだけ覚えました。死んでも飲むか。

たしか女人禁制の沖ノ島の世界遺産登録にも協賛してましたね、このビール会社。私の友人は私を立てて、食事するときも「キリンビール? あ、それ以外で」とか言ってくれて、私はむしろ苦笑してたのですが、こう重なると、どうやらこの会社、女性の権利や尊厳にはとことん鈍感で不感症な企業なんだろうと判断せざるを得ません。

◇今日は予定通りエアコンかけて上の家をせっせと片づけました。いろんなものが出て来て面白かったです。まだ新しいノコギリも見つかりました。しめた、これで庭の木の枝が切れる。

片づけの合間にテレビで映画「黒い雨」を見ました。何度か見たのですが、何度見ても静かな迫力です。
公開されたときの批評で、いつもはエロティックな映画も撮る監督が、「精進潔斎して作ったような」すさまじい精神を感じたと誰かが書いていたのを思い出します。だいぶ後で、職場の集まりかなんかで、この映画を見た、学校の先生をしていた陽気で楽しい教え子が、まだ見てなかった私に「叔父さんが、あの山の上に虹が出たら、姪の病気は治る、と思いながらじいっと見てるんですよー。…出ないんですよー」と、嘆じていたのも思い出します。

そしてヒロイン役の女優さんはたしかこの時、ちょっとした不倫騒動か何かのスキャンダルにまきこまれていて、映画の完成試写会の時のインタビューで、どこかの記者が「ヒロインは原爆症で結婚できないわけですが、結婚できない相手との恋をどう思われますか」とか、よくあるひっかけ質問をして、彼女はむろん「映画以外のご質問は今日はちょっと」とかわしましたが、私はあの静謐で高貴な怒りに満ちた映画、あの真剣で見事な演技に対して何の敬意も払わず、そういう下卑た質問を浴びせた記者の、おぞましい精神と愚鈍さと厚顔無恥を、あとになるほど、何年たっても思い出しては、本当に激しく憎みぬきました。
ひとつの映画を見るだけで、そういうものがずるずる全部よみがえります。

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カツジ猫