優先順位がぐっちゃぐちゃ
映画「キャバレー」を見て来た。やっぱりいい。字幕が新しくなってたが、それも悪くなかった。ただ、昔の字幕を覚えているので、頭の中でそれが二重写しになるのには参った。最後の歌のエルシーに関するとこも、
彼女が死んで噂が立った
ピルとお酒のせいだって
でも死に顔が女王のようで
幸せに死んだにちがいがない
なんだよね、たしか昔のじゃ。それにしても、この歌、最高。
そして今見ると、最初はキャバレーでチラシ配ってて即つまみ出されてたヒトラー・ユーゲントの少年が、だんだん逆に用心棒のおじさんを袋叩きし、客にもナチスの軍人が増えてくるなど、実にきめ細かくその抬頭を描いているのが、昔見たときは、「ふ~ん」という歴史の確認感覚だったのが、今やリアルな「新しい戦前」の現実と重なるところが、悲しくて息づまって、恐い。ユダヤの銀行家の令嬢夫妻が早めに米国かどっかに亡命して、無事であってくれたらなあと祈りつつ、二人が収容所で朽ち果てる結末もまた思い浮かびそうになって、もう、あれこれと、たまらない。
それにしても、動画を紹介しといて何だが、ネットで見てもとてもこの魅力は伝わらない。絶対に映画館の大画面の大音響で見るべき映画。近くで見られる方はぜひ行って下さい! 福岡あたりじゃ26日までです。朝10時からってのはキツイですけどね。下手するとうちの隣町のイオンみたいに、建物の入口が10時まで開いてなかったりするから要注意(専用入口に回れとさ)。
たまらないと言えば、昨日博多駅の近くでストーカーの男性に刺殺された女性の年が「当時三十八歳」とニュースがくり返すので、変なとこにこだわるなあと思っていたら、今日が三十九歳の誕生日だったのだって。それはもう家族や友人知人の気持ちを思うと、こっちも言うべきことばがない。
今日は成績提出やら、「村に」の紙本の最終校正やら、急ぎの仕事が目白カナリヤ雀にしじゅうがら押し(私の造語。「目白」だけでよろしい)な上に、菱岡君の本の感想も原稿はほぼ出来てるというのに、なぜか全然急がないし、誰からも根っから頼まれてない「山が」の原稿が勝手にどんどん書けてしまって、ほとんど半日使ってしまった。くやしい。残念。優先順位がぐちゃぐちゃだ。今日やれなかったこと全部、明日一気に全部片づけたら、少しは自分を許せるんだけどなあ。きっと、そんなの全部後回しにして、また買いこんで来たパンジーの苗を植えたりするんじゃないんだろうなあ自分。いや、暗い予想はやめとくとして、今夜はせめて、少しでも、まともなことを何かしよう。
去年の暮れに買った大きなユリの花が、いよいよおしまいになって、最後のつぼみが開いたのを切って、小さい花びんにさした。写真にすると、さすがにくたびれて見えるけど、肉眼で見ると、まだとてもみずみずしくてきれいなのだ。色彩調整でどうかならないか、少し試して見るとするか。