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入道雲。

◇夕方から食事をした後、いつもだらだら過ごして、庭の水まきをするのは早くても九時近く、下手すりゃ夜中になる。ご近所の人にも申し訳なく、木々や花にも気がひけていたが、今日うかがったおうちの人から「土に熱さが残っている内に水をまいたら、根が疲れるそうですよ」とうかがって、お墨付きをもらったようにほっとした。これからは堂々と深夜にまこう…まあ、夜中はやめとくとして。

◇なかなか帰れなかったのだが、今日はようやく田舎の墓参りに行った。涼しい内に着いてやると思って、朝の五時に出発の予定だったのだが、結局七時の出発になった。それでも道はすいていて、九時ごろには着いたので、がんばってお墓の掃除をし、「これならドライフラワーになっても見られるから」と、行きつけのお花屋さんが選んでくれた、バンブーとパンパスとほおずきと千日紅を供えて来た。

もう遅いかなと思っていたが、案外まだお参りに来ている人は少なく、私がいる間に何組かの家族が来て、十年前に亡くなった親友のお兄さんや、田舎の家のお隣さんなど、いろんな人と会ってなつかしかった。その後、以前の家におじゃまして、勇ましい猫ちゃんと、優しい犬さんにも会えて、うれしかった。私が住んでいたときとうって変わって、庭には草一本なく、おうちの床はぴかぴかで、あれは家は、持ち主が変わって喜んでいるだろうなあ。ありがたいことである。

◇帰りの車の中で、高校野球を聞いていたら、この大会ではちょくちょくあるようだが、熱中症でエースがやられて交代し、六人だか八人だかの控えの投手が継投でがんばる一方、相手はエースが一人で百五十球以上投げて、七点差を八回に追いついてひっくり返し、九回表で同点になり、延長戦に突入するという、何だか歌舞伎の「俊寛」で、衰弱した俊寛と、手負いの妹尾が、どっちもよろよろと死力をふりしぼって斬り合う場面を思い出してしまうすごさだった。歌舞伎の方は一方が悪役だけど、もちろん高校野球はそうではなくて。

延長十回でまだ決着がつかない間に、帰りついて花屋さんに借りてたバケツを返しに寄ったので、最後がどうなったか知らない。最高にいい試合だったにはちがいないが、あれはやっぱり、熱中症がもたらしたものでもあると思うと、手放しで感動もできない。もう本当にドームでやることを真剣に考えろよ。

◇入道雲がもくもくわいて、雷もごろごろ鳴ってるのに雨は降らない。おさしみをもらって、ごきげんなカツジ猫は庭の敷石の上にうんちをするのをぴたりとやめて、砂場で用を足してるようだ。何という猫だろうね。
花屋さんで買物をして小銭の分をまけてくれるので、「じゃカツジのおさしみ代にする」というと、ぎゃーと言われた。

◇とにかく一つ用がすんだので、今夜はゆっくり、買いこんだ軽い文庫本読むか、DVDを見て過ごす。「ワンスアポンアタイム」に出てくるマレフィセントとクルエラがカッコよかったので、「マレフィセント」と「101」を借りて来た。「101」のダルメシアンを見て、この犬種は顔がいまいちで、アニメの方がいいかもなと、好きな人から怒られそうなことを考えていたら、走る姿がとてもきれいで、特に走り出す瞬間がよくて、うーんこれはやっぱり実物でないとと思ったりしている。

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カツジ猫