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六年生の夏(26)

私の記憶では、中学校に入ってから二階の暗いひと部屋を自分の部屋にしたので、この時はまだ、「自分の室」と言っても、離れの一室を母と共同で使っていたのだと思います。でも、そこにそんなに本があったっけ。よく思い出せません。

8月25日 月曜 天候◎ 起床5時40分 就寝10時10分

昼食を食べているとおばが息せき切って帰って来て、三時五分前の汽車に乗るから急ぎなさいと言う。時計を見たら二時五分前だ。あわてて、ごはんもろくろく食べず、(せっかく伊佐子ちゃんと二人で苦心して作ったごちそうだったのに)服を着かえたり、かみをとかしたり、すったもんだしている内、時間は、えんりょなくどんどん過ぎて私たちが荷物をまとめ終ったのは、二時半だった。おじも帰って来ていたが、私たちはあせっていたのでろくろく話もしなかった。タクシーを呼んだが、いつまで立っても来ない。玄関で写真を取っておじに、「お世話になりました。」とあいさつした時、タクシーが来た。おばと伊佐子ちゃんと三人で飛び乗った。おじが手をふるのが見えた。
長い汽車の旅をおえて家に着いた。さっそく自分の室に飛び込むと、ぷうんと本のなつかしいにおいがした。二週間、ガスや電気のにおいの中にいたので、とても本のにおいがあたたかく感じられた。

写真は私の田舎の家。門の右端に見えているのは、以前(8月14日の写真)に私と伊佐子ちゃんが樹木をはさんで写っていた、土手につながる塀。

土手とのつながりは、こっちの方がよくわかるかな。もともと河原に降りるまで、私の家の土地だったのを、堤防を作るときに、寄付か何かしてこうなったんだと思います。なので、この堤防は多分、私の家に用がある人以外は通行できないことになってたかもしれない。でも皆、車でも徒歩でも通っていましたけど(笑)。

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