分ります
キャラママさん
私も母がまだ元気な頃、何より疲れて腹立たしかったのは、私を死ぬ程疲れさせ自分に奉仕させて置きながら、社会活動や地域の活動に貢献しようとする事でした。
自らの身の始末を経済的にも肉体的にも充分に出来なく成って居るのに、其の事に目を瞑って健康で豊かだった時と同じ様に周囲に頼られ奉仕しようとする感覚が理解出来なかったし許せませんでした。自分の力や経済力の足りなく成った分を全て私に補わせて昔の儘の自分で居ようとする精神が、ただ醜いと思いました。
今も母は老人ホームで手厚く介護されて居るのですが、私が数日行かないだけで不機嫌に成り、又行って遣って満足して居ると其れは其れで「今日は家に帰るの」「娘が私を連れて帰るの」等と口にする様に成って居ます。
スタッフの方々は分って居られるから聞き流して下さるし私が平気で居れば済む事なのですが、矢張り次第に疲れて来ました。贅沢過ぎる悩みだとは分って居ても。
母を其処に入居させた事は全く後悔して居りません。あの儘実家との往復を続けて居れば早晩私が倒れたでしょう。
しかし、其れは可也危険な決断で有った事は確かで、医療費や施設の毎月の費用を合わせると母と私の年金では毎月赤字に成ります。預貯金を取り崩して行って居ますが、此の儘では母が百歳迄生きれば確実に私はホームレスで、生活保護を受けるしか有りません。
実家は希望者が現れ次第売却する積りで居ます。しかし此の時代古い家がそう売れる物ではなく維持費も嵩みます。兎に角今は私は少しでも仕事をして収入を得るしか有りません。
当然ですが母は此の様な事を全く理解しては居ません。先の事を思えば気が狂いそうに成る不安の中、其処までして快適な環境を確保してやって居る施設に不満で帰りたい出たいと思われて居るのでは、毎日が本当に不愉快で何の為の努力や苦労をして居るのかと思います。母が其れ程家に帰りたいのなら、いっそ帰って食事も冷暖房も管理出来ない状況の中で倒れて欲しい。入れ換わりに私こそが母の施設に入りたいと心から思います。(笑)
本当に何も考えずに休みたい。
似た環境に有る知人からしばしば「私達は子供が居ないから私達が親にして遣って居る様な事は誰もして呉れない事を覚悟しなくては」と言われますが、私は其れこそが大きな救いです。こんな思いを自分の子供や身近な肉親に絶対に味あわせたく有りません。其の様な存在が自分に居ないと言う事が本当に救われる思いです。
此処数年、此の苛立ちと怒りは何時も私に纏わり付いて居ます。最高に幸せな時でも消える事が有りません。例え母が居なく成っても心や身体に食い入って染み付いた此の痛みや疲れが完全に消え去る事は有るまいと思う程です。多分此の数年で私の何かは決定的に変わったし、何かが失われてもう戻る事はないでしょう。
自分は絶対に犠牲に成らないと決める事、其れが介護の第一歩だと痛感する毎日です。