1. TOP
  2. 岬のたき火
  3. 日記
  4. 前の続きです

前の続きです

考えて見れば、自宅で生活して居る時も母は何とかしてヘルパーさんのするサービスを私に肩代わりさせようとして居ました。そうする事で絆が深まると言う錯覚も有ったでしょうが、其れ以上に「他人に迷惑をかける位なら身内を使え。身内は只だし減らない」と言う思いが有ったとしか思えません。
けれど、身内こそ経済的にも精神的にも一番疲れて居るのです。高齢者は他人に気を遣う前にまずは身内をいたわり思い遣るべきです。

今、次第に元気に成って来る母に、私へのいたわりは全く感じられません。実家に居た時と同様に便利な機械に私は成り下がって居ます。しかも前に入院して居た病院を恨んで居て(其れは全く見当違いの認知症のなせる業ですが)、「私の代わりに貴女が行って抗議して来てくれ。残って居る患者さん達を救ってくれ」と言う始末です。まともに怒る事でも有りませんが私は思わず「どれだけ私に仕事をさせるの。私が死んでもいいの」と言い返しました。

母は地域や社会活動をして来た人で、其の様な人の例に漏れず、家族を犠牲にして世の中の為に尽す精神が有り、其れが此の様な妄想と成って現れます。御立派な事ですが私は身近な存在を此れだけ踏み躙って自分が救世主に成り英雄に成ろうとする様な正義感には一片の価値も見出す事は出来ません。

今日私は母に「ゆっくり話をしようと思って来たけれど、ヘルパーさんにして貰う仕事をそんなに言い付けられる様では、来る意味も無いし、もう当分来ないから」と言って帰って来ました。
叔母の時もそうでしたが、私の気持ちがこうやって途絶えた途端、母が突然容体が悪化するのは予想がついて居ます。其れでも私はそうしました。
施設に親を預けた儘、顔も見せない肉親の事が良く話題に成りますが、私は当然だと思います。他者に頼むべきサービスを肉親に押し付ける事で、肉親しか出来ないサービスを拒否する結果に成るのです。

なお、私が此の様な事を敢て書くのは、高齢者若しくは高齢者に此れから成る方々に、此の様な発想と状況を考えて置いて頂きたいからです。勿論行政の方々にも。
母や高齢者の悪口を言ったり聞いたりして溜飲を下げたい訳では有りません。安易な反応や同調はされない様に御願い致します。充分な配慮が無いと判断した御意見は受け付けませんので前以て御承知下さいます様に。

Twitter Facebook
カツジ猫