割りこんでごめん
◎じゅうばこさん
「ゲド戦記」感想、ご苦労さまです。
せっかくの力作の中に、わりこんで申し訳ない。
いや、そのわりに、どうって話じゃないんですが。
◎北海道電力が、プルサーマル原発をやめるとかいうニュースがあって、まあそれはそうだろうなあと思いました。
先日、NHKの教育テレビで、また特別番組の面白いのをやっていて、いつぞや放射能汚染地図を作っていた、木村さんと岡野さんという学者が出ていました。
その内消えるかもしれませんが、一応ここで見られるようです。
http://www.dailymotion.com/video/xkrmo8_20110828-yyyyyyyyyyyyyyyyyy-y_news
http://www.dailymotion.com/video/xkrmwu_20110828-yyyyyyyyyyyyyyyyyy-y_news
で、二本松市が木村さんにたのんで、市独自でホットスポットの検出をして、結果をすぐ住民に伝えていました。
川べりで、相当汚染度が高い場所に家があって、妊娠している女性が里帰りしていて、結局そこで出産されたのですが、木村さんは、数値はきちんと伝えながらも、「赤ちゃんに将来、どういう結果が出るかはまだわからないから」と、やみくもに避難をすすめるわけではなく、あくまで住民の人の気持ちによりそった対応をしようとしていたのが、印象的でした。
そして、市と協力して、ホットスポットから除染をしようということで、テストケースで、その赤ちゃんのいるお宅の庭の土を削り、屋根や樋を洗い流したら、かなり数値が減りました。樋の中の苔が11マイクロシーベルトだか恐るべき高さだったのは、見ていていやでしたけどね。
屋根に上って作業をする木村さんの様子が、いやに慣れていると思ったら、職がないとき、塗装か何かの仕事をしていたことがあるとかいうことで、あきれながらも吹き出しました。尊敬します。
そうやって、はがした土や流したごみは、袋につめて、その家のおじいさんがトラックにのせて、自分の所有の空き地に積み上げて捨てていました。まあ、そうするしかないわけです。
実際、現地に住んでいる人としてはこういう対応をするしかない場合も多いと思うので、それは小出さんも著書の中で書いていましたが、どんなにいやでも、もうこういう状況になったからには、そういうことを考えて行くしかないと思います。
そういうのを見ていて、「まあ、せめてもの救いは、セシウムの半減期は数十年で、私が生きている間は無理としても、まあその内何とかなる数字ではあるよな」と、何とか前向きに考えていました。
ただ、これがプルトニウムとなると、それこそ半減期は十万年かそこらの天文学的数字なんですよね。
今回はそれは出てないのが、本当にせめてものなぐさめですが、実際どこかに発生してはいるわけで、保管されてはいるわけで、これが流出したら、もうおしまいと言ってもいいわけで。
しかし人類もよくまあ、「こうなったらおしまい」のようなことを「絶対に起こるわけがない」とか言ったり思ったりできるものだよな。信じられない。
で、プルサーマルというのは、たしかそのプルトニウムを使う発電でしょう? 北海道がやめるのは当然と思う。
でも、ど~でもいいけど、うちに近い玄海原発はプルサーマルやっているんだよな、たしか。
毎日新聞が最近特集している、原発の交付金づけになっている玄海町の記事の話は、読んでいて本当につらい。鎌田慧の「六ヶ所村」の本でも思ったが、過疎の辺鄙な村にこんな莫大な金を与えて原発を作らせて、それ以外の方向を選べなくして行くのは、まったく麻薬中毒にさせる売人のやり方と変わらない。
それに、こんな莫大な金を地元に交付する、その費用というのは、原子力発電にかかるコストにカウントされているのだろうか。されているわけはないな。それを入れたら多分、かかる費用は他のエネルギーに比べて安いなどというどころじゃないだろう。
私は江戸時代の紀行の記事の調査で、玄海町に行ったことがある。地元のお寺をいくつか回ったとき、あるご住職が重い苦い口調で、原発のことを語られたのが忘れられない。緑がしたたるような美しい町だったことも。