1. TOP
  2. 岬のたき火
  3. 日記
  4. 勤労意欲

勤労意欲

扇風機を出し直したいほど、朝から暑い。洗濯物がよく乾くだろうと思っていたら、ゆうべと取り込み忘れて、干しっぱなしにしていた。まあいいかと、そのままにする。

猫のカツジは、いつもの椅子の毛だらけになった座布団の上で熟睡している。あまりにひどかったので、今朝座布団にブラシをかけて毛をとった。それで気持ちがいいのかもしれない。冬毛が伸びてきたせいか、夏の間はぼやけて消えかけていた縞模様が、そろりそろりと復活して浮き上がって来ている。

エッセイの原稿はゆうべか今朝かもう忘れたが、とにかく何とか仕上げて送る。「アンネの日記」について書いた。悪い出来ではないと思うが、この同人誌はいつ原稿がそろって発刊できるかわからないそうで、人目に触れるのは来年になるかもしれない。それまでは、ここにも公開できない(自分でそう決めている)ので、お見せできないのが残念だ。

メールの返事も手紙の返事も、出さなくてはならないし出したくてたまらないのが、いくつもたまっているのだが、どうにも仕事が片づかない。何とかしなければなあと思いながら、今朝は冷蔵庫の中の、死にかけた卵とトマトときのこを炒めた。何とか食べられたけど、まだ片づかない食材もある。安かったので衝動買いしたステーキをさしあたり今夜は食べなければ。

上の家の古い猫小屋をこわしてもらおうと、工務店に電話した。それは昨日のことである。ガーデン担当の者から連絡させますと言ったきり音沙汰がない。建築関係の会社というものは、そうやって梨のつぶて状態になることが多いと、読んだり聞いたりしていたので再度かけてみようかと思っていたら、今朝早く電話があって、見に来てくれて、てきぱき見積もりの手続きをしてくれて帰って行った。ありがたや。金額はまだわからないが、何とか予算内に収まりそうな気配である。

最近ニュースを見ても、教育大と同様に驚いたり呆れたりする材料が多すぎて、いちいち書いてもいられないのだが、毎日新聞が今朝書いていた、高齢者の高収入の勤労者を優遇しようとかいう自民党の案は、どうしてそういう話になるのか思いつくのか、理解の域を超えている。何でもそうしたら高齢者の勤労意欲が増すだろうという理由らしいが、もはやコメントにも困る愚かさだ。

実は先日、定期預金の切り替えで郵便局に行った。いろいろ他の株や外貨を勧めるチャンスとあちらはとらえているから、いくらはっきり早めに断っていても、万一を願って手続きの間、世間話を長引かせる。それは想定内なのであきらめてにこやかにこちらもお相手していた。
でも、その雰囲気全体が、非常に時間の余裕のある人を相手にしている感じで疲れた。「お忙しいのでしょうが」と言ってくれるから、一応は私の状況は理解してくれているようなのだが、頭ではわかっていても、心と身体が追いついていないと言ったらいいのだろうか。

そして、これは九条の会関係の人たちはさすがに慣れて言わなくなったが、私が「急ぎの仕事をかかえていまして」と言って何かを断る言い訳にすると、次に会った時などに必ず「もう終わりましたか」と聞く人が多い。そんな、瓦の葺き替えや稲刈り種まきじゃあるまいし、一週間や半月で終わる程度の仕事だったら、何か断る言い訳になんかしませんよ。今、手が離せないと言ったら、どう短くても半年は全力投球ということです。

その時もそう聞かれて、いえいえまだまだとお答えした。その後しばらくして、今日はこれからはもうお休みですかと聞かれて、本当に気が狂ってるんじゃないかと相手の顔を見直した。まさか午前中の昼近くに郵便局に書類の書き換えしに来るだけで一日の仕事がすむような暮らしを私がしていると思っているのか。実際私はその時に、別の仕事で福岡の銀行に行かなくてはならず、間に合うように電車に乗れるか、そろそろ心配になっていたのだった。

いえ、これから福岡に行く用事がありましてと言ったら、少し驚かれたが、まだ深刻な状況とはとらえておられないようだった。結局その日の福岡行きはあきらめたし、そのために予定が狂って一週間の仕事のスケジュールが大混乱したのだが、もうその時点で私は相手に理解してもらうことをあきらめたから、それ以上何も言わなかった。

相手はなおも世間話を続けられて、近くの団地のご夫婦の奥さまが先日何かの手続きに来られて、以前は夫と出歩きもしたけれど、最近ではそれもなくなり、一日二人ですることもなく引きこもってすごしていますと言っておられたと話した。私はそのことに、いかなる興味も感想も抱かなかった。そんな方もおられるだろうし、幸福かもしれないし不幸かもしれないが、いずれにしてもそんなことを何で私が知らなければならないのだという気持ちしかなかった。

高齢者の勤労意欲を増大させようというのなら、そういうご夫婦が今回の施策で何か仕事を始めるとはとても思えない。そして、忙しく働いている私の収入は、今回政府が優遇しようとしている範囲の対象には届くわけもないほど低い。他のいろんなケースを考えて見ても、政府の優遇措置があてはまりそうな人をどうしても想定できない。
結局は、あれこれ口実をつけて、またいやが上にも金持ちを優遇しようとしているのだろう。それで国や財政が立て直せるとでも思っているなら、頭がどうかしている。頭があるとしてだが。

腹を立てている時間も惜しいから、掃除でもするか。

Twitter Facebook
カツジ猫