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新世紀

二十年ほど前に、当時飼っていた二匹の猫、キャラメルとミルクがエイズにかかっているとわかり、よその猫にうつしてはいけないと、外に出さずに飼うことにした。でも、庭にまったく出られないのもかわいそうに思って、十万円ほどかけて、家屋に接して金網をはった小屋を作った。二匹はその中で元気に過ごし、屋根と同じ高さの天井部分に、よその猫が来て乗っていたりすると、強気なキャラメルは、下から飛び上がって、片手で金網にぶら下がりながら、片手でパンチをくり出して、侵入者を撃退していた。

その後、少し縮小したり改築したりしたが、本体部分はそのままだった。二匹がいなくなった後も、歴代の猫たちがそこで遊んだ。
だが、あちこちが壊れて来たのと、今いる二匹は年をとって、もうあまり利用していない風でもあるので、思いきって取り壊すことにした。業者が今日見積書を持って来て、六万円ほどで解体し、後の補修もしてくれるという。

何日か後に、解体の日も決まった。さすがにいささか感無量だ。淋しい気もするが、これがなくなると、裏庭まで簡単に行けるし、庭の管理はしやすくなる。

車の方も、そろそろ新車が届く模様。それまで最後の数日を、今の車で大事に過ごそう。コーティングまでして、すべすべになった車体は、触れるたびに驚いてしまうほどだ。何か記念になるような買い物をしに行こうかとも思うが、そろそろこういう、物への感情移入もやめるようにしないと、時間がいくらあっても足りない。
いずれにしても、車も庭も新しい時代を迎えることになりそうだ。そう言えば私の誕生日も近い。

アフリカ旅行に行く友人と明日、福岡で食事しようかと言っていたのだが、おたがいに予定が厳しそうなので、あきらめた。旅慣れた人なので、今さらプレッシャーもないはずだが、夕方の電話では、「今夜中にすることの十二の内、まだ三つしか片づいていない。生ゴミを庭に埋めたいが、この分では夜中になりそうだ」と、ぼやいていた。家にこもっている私も、似たようなことをしている毎日だから、身につまされた。

 

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カツジ猫