合言葉は「テロより恐い共謀罪」。
◇「むなかた九条の会」の四月のチラシに書いた文章なんですけど、妙にあっちこっちで受けがいいので、再録します。メーデーは今日、憲法記念日はあさって、せいぜいスローガンにでも何にでもしてお使い下さい。私は「テロより恐い共謀罪」と書いて、手作りうちわにはってます♪
共謀罪については、実はこれ書いた以後「キノコやタケノコ採りも対象」「花見やピクニックで双眼鏡や地図を持っていたら対象」「通常の団体、通常の生活なら対象にならない」「嫌疑がかけられた段階で一般人ではなくなる」などと、おまえら、こっちを笑かして脱力させたドサクサに通す魂胆かと言いたいぐらい、はちゃめちゃなつっこみどころの答弁が満載で、第一、法務大臣が答えられないから助っ人を呼ぶとか、専門家が国会で国連や国際社会でのテロ対策の法整備には現行法で充分、そんなことを言うなら、男女差別撤廃等で整備しなくてはならないのに放置してある法律などいくらもあると証言するなど、もう題材がざくざく増えて、このチラシ10枚分にもなろうかって勢いなんですけど、まあ当面さしあたり、この内容ぐらいは押さえておいていただければと思います(笑)。
テロより恐い共謀罪
はっきり言って私は、テロよりも共謀罪の方が恐いです。
テロももちろん恐いです。しかし、テロリストがどんなに凶暴で悪質でも、ひとつの建物や町を壊滅させる以上のことは、なかなかできるものではない。
もちろん、そこで死ぬ人の中には私自身や、愛する人がいるかもしれない。
それでも私は、共謀罪の方が恐いです。
それは、日本を滅ぼしかねない。国民全体を滅ぼしかねない。
原発事故よりひょっとしたら、たちが悪いかしれません。
そもそも私は安倍首相が、テロを防ぐ気があると思えません。
あれだけ、「中東のテロリストの標的になる、日本を危険にさらす」と皆が反対したのに、戦争法を強行採決して自衛隊の海外派兵に道を開いた人ですよ?
テロリストに攻撃されればひとたまりもない、危険な原発の再稼働を、原発事故の被害者も放置して、推し進めたがる人ですよ?
そんな人が作りたがる共謀罪が、本気でテロを防ぐものであるわけがない。
共謀罪は、ずばり「何をしたらつかまるかが、よくわからない」法律です。
人が何を考えていたかを、本人ではなく、警察や国家が決める法律です。
だから、弁解も、用心も、しようがありません。
できるのはただ、「力のある人にさからわないよう気をつける」「目をつけられないよう、怒らせないよう、ひたすら息をひそめている」ことだけです。
何をしたらさからったと思われるか、怒らせるか、目をつけられるか、それもわかりません。いじめや家庭内暴力や暴力団組織と同じです。
こんな法律を作る政府がしたいことは何か。
「したいことが、何でもできるようになること」です。
国会の答弁や大臣たちの発言を聞いていてもわかるように、安倍政権は、もはや保守や革新、右翼や左翼といった枠には関係なく、すべての国民をあなどり、さげすみ、敵視する、常識破りの独裁政権になってきています。
私たちは、あらゆる意見や立場のちがいを今はいったんわきにおいても、この政権にこれ以上大きな力を持たせることだけはくいとめないと、国の将来や私たちの未来について、語り合うどころか、口にすることさえできなくなります。
皆さん、足をとめましょう。耳をかたむけ、手をのばしましょう。起こっていることに目をそらさず、考え、話し合いましょう。
私たちがあきらめたり、うんざりしたり、しらけたりすることこそ、国を自分の好きにしたい人たちが、虎視眈々と望み、ねらっていることなのです。
2017年4月7日 むなかた九条の会世話人代表 板坂耀子