外は雪でしょうか?
キャラママさん
シナモン嬢の御無事の御帰還良かったですね。
私は今日やっとケーキと御寿司の盛り合わせを買って母の家に行きました。
凍結しかけて居る道路を用心しながら何時もの倍の時間をかけて漸く家に到着しました。雪が降りそうな大変な寒さで戸外では歯も鳴りそうな空気の冷たさに急いで家に飛び込みましたら母はエアコンもつけずに食事をして居ました。どうしてエアコンをつけないのかと聞きましたら「もうすぐ寝るから良いかと思って」と申します。「まだ5時よ」と言うと「あら、そうだった?」だそうです。
しかも見ると上は一応着込んで居ますが下半身は長い下着だけです。「どうしてズボンかスカートをはかないの。それは下着でしょう」と言うと「あら、そう?」とのこと。「何か着てよ」と押し入れを開けたら、私が買って送った暖かい長いスカートもズボンも、すぐ出せる所にぎっしり入って居ました。
いよいよ呆けて来て居るのかとも思いますが、そうでも無いのかも知れません。最近の下着やパジャマは暖かくて綺麗なので母には下着に見えないらしいのです。それはずっと以前からそうでした。
まだ元気で外出もして居た頃、知り合いの息子さんの結婚式に来て行く服を私が幾つか選んでラックに掛けて置いたのですが、数日後「これも良いんじゃないかと思うのだけれど」と並べて掛けて有ったのが、派手なネグリジェでした。「これは寝巻よ。こんなものを着て行ったら気が変と思われる」と怒ったのですが、母は綺麗で派手な色の服が好きなので、そういう模様や色が有ると着たくなる様です。
その時は止められたのですが、その後私が派手な縞模様のフリースのガウンを「風呂上がりにでも着たら」と置いて居たら、何時の間にか大切そうに押し入れの服の間に掛けて綺麗な色ねとか外に着て行っても良いねとか言うので、「これは風呂上がりか寝巻の上に着る物で人前に着て出る物では無いのよ」と一度ならず言い聞かせました。
けれど思い込んだら絶対に実行する人なので、とうとう或る日リハビリに病院に行く時、それを着て行って仕舞いました。週に二度の外出なので毎回何を着て行こうかと自分で熱心に選ぶのですから、うっかりではなく明らかに御洒落の積りで着て行ったのです。しかも待合室で「寒いからもうこれは着た侭でも良いでしょう?」と看護婦さんに言ってずっと着て居たと得意気に話しましたから、余程自慢だったと見えます。
「何と言う恥ずかしい事をするの。裸で行った方がまだましよ」と私は母を面罵しましたが、それは恥ずかしいと言うよりも、あれだけ言って聞かせたのに、とうとう自分の望み通りにしたのだなと言う不快さだったかも知れません。私はそのガウンを直ぐに処分しました。そしてそれ以後、母には寝巻やガウンの類は一切買ってやって居ません。外に出る時着て行ける様な服だけを買って、それを寝巻に使って居ます。
その後中国の香港か上海でしたかで、フリースのパジャマを皆が外出着にして居ると言うニュースを読んで苦笑した事です。確かにそういう感覚になる程に最近の部屋着は綺麗ですものね。
けれど、今日の様子では母はその内下着で外出するのかも知れないと思います。別に気にもなりませんけれど。
今夜は私が食事をして居なかったので、母もつき合わせて一緒に御寿司とケーキを食べました。私が飾って置いたクリスマスツリーをヘルパーさんにテーブルに置いて貰って、「生まれて初めて一人でクリスマスを祝うのよ」と話したと言うので、「去年も一昨年も、その前も私は仕事で帰らなくて貴女一人のクリスマスだった筈よ」と言うと、「そうだったかね」と言って居ました。
この調子では私が今日帰って来た事も明日には忘れて居そうです。
と言う訳でイブに続いて不愉快なクリスマスを過ごしました。
一番嫌なのは、こんな事ならケーキの注文から引き取り、買い物、長い運転、等の精神的肉体的疲労を承知で無理する事は無かったのにと後悔して仕舞う事です。結局はそんな事の全てが只の自己満足だったと思い知らされる事です。
待って居る人が誰も居ないクリスマス、孤独なクリスマスはどんなに素晴らしいだろうと、つい夢見て仕舞う自分が恐いですね。