大丈夫かい
あまり見たくもないのだが、高市首相の諸外国との外交のニュースが、ときどき目に入って来る。くりかえすが、あまり見たくはないのだけどね、その一方で、どれもこれも世界や日本の命運を左右しかねない、相当重要な会見や会談のわりには、ニュースの量も内容もスカスカで短くて雑で軽いのに、そぞろ不安を感じてしまう。
トランプ大統領との新婚旅行みたいな映像の数々は、さすがに批判が多くてそれに対する反論もしかとしたのがなかったけど、それ以後の韓国やら中国やらとのスピード外交についても、いくら「私のモットーは行動力」とか言われても、あんまり早すぎて、大丈夫かいなという思いが先に立つ。
中国相手の会見なんて、あのトランプの強引さでも容易に動かせない、したたかな相手みたいなのに、うまく行ったとか成果があったとか言われても、かえって何だか不安になってさ。だって具体的な成果や、相手からとった言質が全然伝わって来ないんだもの。
ニュースを聞いてると、その「うまく行きました」みたいな首相のコメントを紹介しただけで、あとはアナウンサーが「これこれや、あれそれについて、中国に要求しました、伝えたと思われます」みたいなこと言って補充してる。
さすがに私も、本当にちゃんと言ったのかい、してしてそれで、返答や反応はどうだったのかい、と思って、つい聞き耳をたててたら、高市首相は「これこれについて、申し上げました」って、数えてないけど多分二十項目近くの、尖閣諸島やら何やらの、とてつもない微妙で重要な事項をさらさらさらと言ったんだけど、あの短い時間にそれだけのこと、じっくり話し合えるはずもなく、いくつかにしぼって相手を詰めたって風でもなく、もしやまさか、ただ項目だけをお伝えして、終わったんじゃあるまいな。
記者会見ではさすがに「それで相手の解答は」みたいな質問もあったけど、それに対して具体的な返事はなく、代わってくり返されるのが「両国間に意見のちがいは多々あるが、それはそれとして、友好関係を保って話し合いを続けて行こう」って確認をした、ということばかり。あのさ、国家間や強国相手じゃ、そんな約束、あんまりたよりにならんと思うぞ。
あれこれ、ほんとに不安だよう。生きた心地がしないとまでは言わないけど、ちょっともう、それに近いよう。
