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わかりやすすぎる

今朝、洗濯物を干しながら、ご近所の方と話していて、値上げの話や年が越せるのかという話になり、私が高市さんもトランプもねえというと、ご近所の奥さまは眉をひそめて、最近はテレビを見なくなった、高市さんの顔を見ると気持ちが悪いので、すぐ消してしまうとおっしゃった。あの笑顔が、気味悪くてしかたがないのだそうだ。いっそ笑わなきゃいいのにですねと私が言うと、本当にいつもわざとらしくて、とにかく恐くて気味が悪いとのこと。しかし若い人たちには人気があるようで、わからんもんですと私が言うと、そうなんですか、それがテレビを見なくなったから、人気があるかどうかも知らないんですよと言われた。

実はこんな話を聞くのは二度目で、私の田舎の友だちは総裁選の前から、とにかくもう、あの顔がこわばって嘘っぽくて、いやでいやでと強烈な拒否反応を示していた。多分今でもそうだろう。
 まあ顔なんて好みだろうし、あんまり言ってもしかたがないが、このところのトランプ大統領への高市首相の対応とか見ていると、することなすこといろいろわかりやすすぎて、見ていて危なっかしくてしかたがない。ニュースでは、会見がうまく行った成功したとかいうことを、何だか歯切れ悪く言おうとしていて、これもまたはっきりしろよと言いたくなる。多分、あんまり成功したと言い切る責任は誰もとりたくないんだろう。

まあそりゃそうだ。トランプ氏に要求されそうなことを、こっちから全部言っちゃってるんだからな。防衛費を出します全面的に協力しますみたいに言われれば、そりゃ機嫌もよくなるでしょう。それで成功とか言われてもねえ。それで安心して、大喜びされてもねえ。
 高市氏を批判する人ももちろん多いし、ヤジにしても過激な発言にしても、やり方がそれでいいのかって問題はあるだろうけど、批判してる内容は、統一教会との一体化ぶりと言い、アメリカへのあまりの無抵抗ぶりと言い、そう的はずれなものはない。無視してしまうのは危険だぞ。

特に共産党の志位氏が、高市氏の発言や行動について、例によって、とことん徹底的な批判をしたのに対して、落語家の立川志らく氏が「嫉妬してるんじゃないか、そうか、嫉妬か」みたいに評してるのには、唖然とした。意見のちがいはあって当然だが、「嫉妬」なんて下世話なことばで片づけるかね。そういうかたちでしか反論できないというのも困るが、それより何より志らく氏は、あの高市氏のトランプ氏との浮かれ具合を、誰かに「嫉妬」されるようなものだと、本当に感じているのかしら。ひょっとして、自分の目からはカッコいいとか見えたりしたのかしら。なんかもう、悪いギャグにしか思えない。それをまたYahooニュースが、「志らくが志位氏をバッサリ」とかの見出しで紹介してるんだから、頭痛い。

トランプ氏は私に言わせれば、カネのことにはしたたかで抜け目がないが、おおむね単純で芸のない人だ。だから中国やらヨーロッパやらプーチンやらよりも、高市首相のような人は気にいるだろうしウマがあうだろう。だけど、それって、くれぐれも、自慢したり安心したりするようなことじゃないぞ。
 そもそも、何で高市首相がそんなにトランプ大統領とうまく行ったかの分析が、これまたどのニュースも結局のところ、「アベ元首相と仲良しだったから、その信頼」としか言ってないのが、情けないっていうか、他にないんか見つけてやれよと言いたくなる。先ほどの「嫉妬」と言い、世界や一国を背負う人々の人間関係が、そんな程度のもんなのかよ。

でもまあほんとにそうなのかもしれないから、じゃいったい何でまたアベ首相はトランプさんにそう好かれたのかというと、これもまた、ちゃんと説明してるニュースが皆無だから確認しとくと、そりゃもう今回と同じように、相手の気に入ることを全部してさしあげたからでしかないでしょう。それともうひとつ、これは以前に私が書いたことだが、アベ首相の悪い意味での育ちの良さから来る、平気でルール無視する恐い物知らずと、相手に手もなくしたいようにされるお人好しとが、自民党や保守や右翼の誰にもまさって、統一教会や強大国の支配者にとっては、かぎりなく、こよなく相手にしやすいんですよ。他の人なら、もっと臆病で、したたかで、用心深いから、そうそう言いなりにはなりません。
 だから気に入られたんです、たった、それだけのことです。

私は高市氏の人となりも経歴もよく知りませんから、アベ氏のこのような性質を、どのくらい、どんなかたちで継承しているか、よくわかりません。しっかりひきついでも、ちがうかたちでひきついでも、どっちみち、ろくなことにはならないだろうという予測だけはありますけどね。まあ、はずれればいいとは思っています。

なお、アベ首相の分析については、以前に私が書いた、次のような文章の数々をお読み下さい。私としては、これできっちり、アベ氏の本質は把握したと思っています。長いですけれど、ぜひ読んでほしい。この土壌の上に、今の政治がつながって、築かれようとしていることを、どうぞしっかり理解していただきたいです。

街頭演説をするなら私はこう言うでしょう

こういうことかい(4)

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