大事の前の小事（その１）。

◇きゃー、すみません。ここ宗像市で予定している戦争立法反対の集会とパレードですが、日をまちがえて書いていました。正しくは７月１８日（土）ですっ！　夕方から赤間駅北口広場。皆さんよろしく！

ところで今日の九条の会では、これはこれでいいけど、もっと前にも何かしなきゃということで、連日朝か夕方に駅前や教育大前で、たとえ一人でも二人でもプラカード持って立っていようという話になっています。
私ももちろん参加します。せっかくだから、教育大前で一時間立ってる間に、オフィスアワーがわりに学生たちのレポートの相談に乗ろうかななどとも、セコいことを考えています（笑）。

◇まあ、体調もよくないのですが、９３歳の瀬戸内寂聴さんが死ぬ気で国会前に行ってしゃべってること考えるとなあ。これは少し前に出ていたらしい、その時の画像です。下のコメントでののしってる人たちのことばが、いつもの通りですけど、いろんな意味で情けなくて笑えます。

https://www.youtube.com/watch?v=ZwG4OPen218

◇で、そんな大きな問題だけでも疲れるので、のんきな話をひとつふたつ。昨日予告した、昔、母が長崎の短大に行ってる時、寄宿舎に祖母が出した手紙です。わが家は村で医院を経営していたので、お手伝いさんや看護婦さんに関しての話も出るので、そこは一応仮名にしています。
しかし、庭の枇杷が熟れたとか言うかと思えば、万引きするようなバカは死ねばいいと言ったり、やさしいかぼそいヤマトナデシコ風の祖母でしたが、さすがっちゃあさすがです。

封筒はないので、いきなり本文から。

「この間下宿問題の手紙が来てから直ぐ江戸町と荒木とに頼んでやったけど　どこからも何ともいって来ないのよ。けど皆何處かいゝ處があればいゝと云つて心配してくれるのだろうとおもつてます
市内から通つてるお友達にもよくたのんで御覧ん　成るべく沢山さがすのがいゝとおもひます　そしたら其内にはどんないゝ家があるかも知れないからね
先日南生子に手紙を出してをいたが　もしかお小使いが足りないやうだつたら一円でも貰つたら何ふ　お母さんは何時小使いが少ないことはないだろうかと心配してますよ
最う六月も七日　暑中休暇も段々近まりましたね　夏になると暑い長崎の事がおもひ出されて身ぶるいし度いやうにあります　お休みに成つたら一日も早く帰つて涼しい広い内でゆつくりしなさい
今年の夏は又お客さまが取れそうです　森島など最う電話で板坂君いつ頃かへりますか　帰つたら是非遊びに来ますなんて呑気そうなこといつてますからね　暑中休暇になると昨年の兄さんの事をおもひ出しますが今年はあんな恐しいことがなく皆で楽しく過し度いと念じています
御父さんも相変わらず達者でよくお働き下さるのよ　四月も五月も現収三百円ありました　これは主に痔の患者の分です　この分で行くと年末のは全部残ることになりますね　何といつても御父さんの腕一本の力ですから大したものです　時々は随分無理なことも仰言るけど矢張り皆がこらへて行かねばとつくづく考えてます
そして病気でも成らぬやうに大事にして上げねばなりませんとおもひます　唯お母さんがいつも心配するのはあなた方四人の子供が他家の子供に比べて見ると揃ってよく出来るので　その点お父さんもお母さんもよその親さん方に比べて幸せ過ぎるから　昔から幸時魔多しといわれてますから　ほんとに取り越し苦労のやうだけども何事もなければいゝがといつも念じて居ります　元も仲々考へもしつかりして来ましたし身体も益々よくなつてきまして昨年の夏服は小さく　又二着造りましたし　靴も足にマメが出来るやうになりましたので新しく造りました　サッチも看護婦をさせとおもひましたが全く意地がなく　あゝして男の患者が沢山来ますが　この分なら男にまけそうですし　古田は相変わらずで男を遊び者にして数人の者に手紙をやり取り何か小包なども貰つたりして　女として一番大切な操が全々ゼロですからサッチのやうな意志の弱いノロさんは直ぐ引き入れられて　だらくして了ひそうです　矢張り台所をさせて勉強させますやう今日は四円五十銭もする本をたのんでやりました　この女はヒヨウタンの川流れ見たやうな　ぽかぽかした子ですから　お母さんがきびしくかんとくせなくては　とても駄目だとおもひます　ミヨチン方からも返事はよこしません　大きくなったから自分達で使ふのでしよ　仲々にしつかりしたいゝ人などめつたに居りません　今度はゆつくりさがしましよとおもつてます　金さんはいつも変らず心から働いてくれます
新聞で長崎高商生徒の心中事件　鎮西学院の萬引事件などを見て　氣の弱い半分病人見たやうな人達はほんとにつまらん　あんな者は死ぬのが一番いゝとおもひます　萬引などする丈けの勇氣があれば　それを轉じて何ふしていゝことをせないでしよか　心の目がくらむのです　精神病者ですね　一寸したちがひで　そういふことをやるのですから　やはり意志の弱い人は可愛想ですね
庭の枇杷が大分色づきました　昨日は晴れ間に御父さん　おれが毎日こやしをやつてやつたから今年は沢山ついた　子供達が休みにかへつて食べるだろうと　ながめて一人ごとして居らしたのよ　年を取るとやはり御父さんも可愛いこといひなさると　うれしく聞いてましたよ　元は十一日から臨時試験です　南生子達最うすんだでしよか　又かきます　ではお大事に成さいよ　母より
澪子様　　　」

もう、あっちこっちで、いろんな意味であらゆる意味で、ひえーとのけぞりそうになるのですが、このどういうか振り幅の広さっちゅうのは、やっぱり私の血筋かなあ。ヒョウタンの川流れって何よ（笑）。
ちなみに金さんというのは、祖父が中国で大きな病院を経営してた時期以来、日本に来てからも働いてくれていた、中国人か朝鮮人の男性だと思います。母がよく、「とてもかわいがってもらった」と、なつかしがって話します。