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大内人形。

◇ひなまつりというのに、おひなさまを飾るのも忘れていた。まあ旧暦のひなまつりまで飾っときゃいいかと思ったが、それでも探すのが面倒で、置き床の戸を開けたら、去年しまったままの、小さい大内人形のおひなさま(と思う)がつつましく並んでいたので、とりあえず置き床の上に飾っといた。カツジ猫は、こういう小物に全然興味を示さないので安心だと思っていたら、夜、パソコンを打っていて、何かがころんと転がる音がしたので、ふりむくと、大内人形の片っぽが床に落ちていて、カツジがそれをのぞきこんでいた。丸くて小さいから、転がしてみたくなったのかしら。「だめだめ」と言い聞かせて、高い棚の上に移動させた。カツジは特に未練もなかったようで、それ以上こだわらなかった。こういうところが、こいつは助かる。

◇正月前というか、クリスマス前に買っていた、干支の置き物のニワトリも箱に入れたままのが二つ見つかった。例年下の家の玄関には、私は何となく、あまりかわいくもきれいでもない、古臭い干支の置き物を飾る癖があって、今年もぱっとしない、古いニワトリの土鈴を置いている。新しい二つはどちらもデザインが気に入って家の中のどこかに置こうと買ったのだが、母の死などで、とりまぎれてそのままになっていた。開けてみたら、一つはハンプティダンプティのような小さい丸いやつで、一つは俵の上に止まっていて、しっぽが派手に開いて、わりと獰猛な顔をしている。多分そこが気に入って私は買ったんだろう。
思いついて、台所の冷蔵庫の上の、神棚代わりにしている場所に、榊や神具と並べておいてみたら、なかなか似合う。これは来年になって、ずっとおいといてもいいかもしれないな。

◇母はまだ田舎で元気で一人暮らしをしていたころ、バレンタインにはチョコレート、クリスマスにはプレゼントを川柳の会の仲間の人たちにあげていて、私は毎年その買い出しを頼まれていた。丑年にかわいい小さい牛の置き物を私もよっぽどやけになったのか、相当たくさん買って、それが箱のまま20個近く残っているのを何年か前に発見した。また丑年が来るまでは長いから、動物愛護団体の「みなしご救援隊」にでも送って何かに使ってもらおうかなどと思っているうち、もう丑年が射程距離内に入ってきた。あと四年、いや三年目の年末にはまたプレゼントに使えるかもな(笑)。

◇きゅうりとリンゴが安かったのでたくさん買ってしまい、二種類のサラダを作って冷蔵庫にしまったので、明日の食料には事欠かない。リンゴはさつまいもと一緒にワインで煮て、おやつも作った。というわけで明日は一日家にこもって、また片づけにはげみます。

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カツジ猫