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大学が危ない

大学も学問も知性も、首を絞めて骨抜きにするような、こんな大変な法案が例によってどさくさまぎれに、ろくな審議も広報もされないままに推し進められようとしていることに、寒気を感じています。

それに比べりゃのんきな怒りと思われそうですが、これも同じぐらいひどい話じゃないでしょうか。
 私は羽生結弦、大谷翔平といった、あまりに立派で有名な人たちには、かえって、どちらかというと無関心になりがちです(何しろ、彼らの人気のすごさと言ったら「しんぶん赤旗」の漫画にも羽生選手のおばさまファンたちがよく登場しているぐらいだし)。羽生選手の結婚したと思ったら、あまりのマスメディアやファンの反応の激しさに、すぐに離婚したというニュースには驚いて、気の毒とも思う一方、あれだけの人だから、何かよい方法を考えもするだろうと漠然と思い、更にその底で、これはマスメディアへの彼なりの強い抗議行動ではないかともちょっと考えたりしていました。

それもあって、このニュースは衝撃でした。羽生選手が、離婚のいきさつを、きちんとていねいに発表した文章を、報道機関が改ざんし、マスメディアの責任にふれている部分を削除して報道しているというのです。

深刻で痛切な状況を、どれだけ一語一語に思いを込めて配慮して書かれた文章か、いやしくもことばをあつかう職業の人たちが、考えなかった感じなかったとしたら、もうそんな職業に携わっている権利はないとしか私には思えません。裁判沙汰にされてもしかたがないような事案じゃないでしょうか。

あんまりムカつくのもビビるのも身体に悪いからしょうもない話もしておくと、今日の大相撲の解説はホークスにいた松田選手でした。神妙な顔でいろいろコメントをしていましたけど、「苦手の相手というものがあるか」という話題になって、アナウンサーが誘導しても松田選手がひっかからないので、とうとうアナウンサーの方から「えー、西武の十亀投手などは」と水をむけたのには、ひっくりかえって笑いました。松田選手はまたあくまでも、「そうですね。たまたま結果はよかったですね」みたいに応じていたし、上品なNHKのアナウンサーはそれ以上つっこまなかったので、多分、聞いてるひとには、何の話かよくわからなかったでしょう(笑)。私でさえ知っているから、プロ野球界では有名な話なのですけどね。

和歌の江戸時代の概要をもうちょっとつかみたいと、むかーし自分も紀行の項を執筆した『時代別日本文学事典』を書庫からひっぱり出してみた。そしたら近世紀行以上に近世和歌は冷遇されてて、解説はほんとに少なかったが、それでかえって、簡略な概要を知るには便利だった。二条家が伝統的で、それに国学の勢力が新興し、小沢蘆庵と香川景樹が注目株で幕末には大隈言道とか独自の歌人が登場した、って、私が手探りで学生に説明していたことも、そうまちがってはなかったじゃんと、ちょっと胸をなでおろす。
 ついでに、何を書いたかも忘れている、自分の書いた紀行の項目も見た。まあちゃんと書いているけど、まだこの時点(1997年)では、私は前期の貝原益軒、中期の橘南谿を重視していて、小津久足は評価してはいるけど、今ほど重要な位置にはおいていない。ささやかに、時の流れを痛感した。

で、猫はあいかわらず、私の洗濯かごの中で爆睡している。どうしてくれよう。

 

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カツジ猫