奇怪な情景。
◇下のツイッターでも言ってるように、今日本の近辺は本当に危険な状況にあるし、国会ではものすごい理由で強行採決がされてるし、いろいろ本当に恐くて眠れない日々のはずなんですが、そういう時に新聞の第一面でスポーツ選手の引退会見の記事を数段ぶちぬきで載せ、テレビはその会見をほぼ全局がナマ中継してワイドショーでもトップ扱いにして長々報道するって、いったいもうどういう感覚なのか私にはまったくわかりません。家が火事になってるのに仏壇の花を換えてるとか、車にはねられて瀕死の状態の人にお肌の手入れをしているのと変わらないような、寒気と嫌悪を催す情景です。こんなことで、ダシだか目くらましだかに使われてるとしか思えない、その選手がただただお気の毒です。
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◇とは言っても私も日々の仕事はしなければならないので、昨日(あ、もう一昨日)は風邪をおして、約束通り?カツジ猫の庭のトイレの砂を二袋買ってきて、今朝入れてやりました。あいにくここ数日お天気がぱっとしなかったせいか、砂はぬれていて、カツジ猫はあんまり狂喜乱舞という風ではありませんでしたが、もうそろそろ砂も乾いて、新しくなったトイレを満喫していることと思います。
◇小林多喜二全集と、幕末紀行の本とが、ほぼいっぺんに届きました。後者はまだ来ると思ってなかったので、4万円ほどの着払いの持ち合わせがなくて、家じゅうひっかきまわしてかきあつめて、やっと払いました。どっちも急いで読みたいのですが、まだ手をつけていません。この週末にはななめよみでも読み上げるぞ。
しかし多喜二って、ものすごい若さ(29歳)で死んだというか殺されたのに、15冊も全集ができるほど作品を書いてたのか。しかも共産党の非合法活動なんかしながら。天才じゃないかしらん。もともと銀行員のエリートだった人だから当然というべきか。
「蟹工船」なんて、八方破れのむっちゃくちゃな書き方のようでいて、ちゃんとすごく壮大なスケールで社会を俯瞰し、集団を描いているし、よく見りゃどさくさまぎれに同性愛の性行為までちゃんと書いているし、どん底の汚さの描写はものすごいのに、病的な感じがしない。付け焼刃でなく、力強くて、明るい。
講演っぽいことするからには、いろいろ問題もありそうだが「蟹工船」の映画も見とかないとと、DVDを借りて見た。いろいろ、とんでもない展開でたしかに度肝を抜かれて笑いつつぶっとんだが、最後まで見ると、多喜二の原作とはちがうけど、どこか共通する破れかぶれのエネルギーと熱気は案外悪くなかった。
原作を読んだあとでは、何より蟹工船の中がきれいできれいでしかたなかったが、これは現代のブラック企業で働く若者たちへのメッセージだろうなと思うと、その視線と訴えは伝わってきた。ラストの映像なんて、私の好きな徳永直の「太陽のない町」のラストみたいで、迫力あった。いろいろ、はあ?というところはあるけど、根本的には間違ってない映画だった。何より小林多喜二の原作が、こういう映画になってちゃんと公開されてDVDにもなってるのが何だかすごい。
◇さて明日もまた、いろいろと予定があるので、今夜はとっとと寝るとしようか。メールもいろいろしたいのだが、もう頭が働かない。