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容赦ないなあ

今朝からしとしとと、妙にやさしい雨が降っています。
隣家のご主人が、また畑に猫が糞をしたと嘆いておられました。ずっと被害がなかったのですが、これはうちも油断できないかな。黒猫や白黒猫がときどき庭に来ているし。エサをやっていたおうちが減って、一時よりは猫の数も減ったと思っていたのですが、まだそこそこはいるみたいだし。

雨や暑さや台風で放っておいて草ぼうぼうになっている庭のあちこちで、昨日見たらもう彼岸花の茎が何本もすっくと伸びていた。あわてて、さしあたり、前に茂っていた紫蘇の茂みをもったいないけど、引っこ抜いた。
自然って本当に容赦ないですね。絶対にこちらの都合を待ってなんかくれない。

かなり前のことですけど、台所のシンクの上に、ちっちゃなアシナガグモがいて、つかまえて外に逃してやろうとしたら、冷蔵庫の後ろに逃げ込んでしまいました。
あのままの大きさならいてくれても全然問題ないんだけど、でかくなったらいやだなあと思いながら忘れていました。
そうしたら数日前、猫庭に出るドアの横の壁にはりついていて、すわこそとドアを開いて追い出そうとしたら、近くにあった踏み台の裏に逃げ込んで張りついたりして抵抗しやがりましたが、踏み台ごと外に出して払い落として、無事送り出しに成功しました。
ふう。前に大きなアシナガグモを追い出したときも、同じところにいたのを同じようにしたのですが、彼らって、結局出口を探している内に、ここにたどりつくのかしら。

先日、久しぶりに「野球天国」(ふるーい、大リーグの笑話集)を紹介したのですが、気がつくとこんな話もありました。誰を連想するかはほんとに読む人さまざまでしょうが、シーズン中にこの本をめくっていると、あらためて、なかなか受けます。

俺がついてるぜ!

守備のお粗末なことにかけては一頭地を抜く一塁手ジーク・ボヌーラの最大の魅力は、いかなる場合にもショゲることのない軒昂たる意気にあった。ファイン・プレーを演じてもエラーをおかしても、ジークは元気よくミットをたたき、大声をはり上げて味方を激励するのが常だった。
あるとき、二死満塁の味方のピンチに、ジークは例によってミットを叩いてピッチャーを激励した。「オーケー、オーケー。あと一つ、あと一つ」
そのとき、敵打者が一塁前にゆるいゴロをころがし、ジークはダッシュよく突っこんでボールをすくい上げたまではよかったが、つぎの瞬間ポロリとこぼしてしまった。あわてて拾ったかと思うと、またもミットからこぼれ落ちた。夢中で拾い上げようとした拍子に足さばきが狂って、こんどはボールを蹴とばし、いやもうさんざんのテイタラク。
その間に塁を埋めていた三走者はいずれもホーム・インし、打った走者は三塁にむかって疾走していた。そうはさせじとジークは矢のような球を三塁へ…投じた手元が狂ってボールは三塁側のダッグアウトの中へとびこみ、結局ツーアウト後のランニング・ホームランを許すという最悪の結果を招いた。しかしジークは意気いささかもおとろえず、もとの守備位置に戻った。
「オーケー、オーケー」彼はミットを叩きながら投手にむかって叫んだ。「だいじょぶ、マカシトキ。俺がついてるぜ!」

スガ内閣の発足の報道を見るにつけ、「物語を!」の続きを書きたくなるんですが、専門の国文学のページの更新もとんと遅れているし、悩ましい限りです。

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カツジ猫