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少しずつ。

◇正月飾りを片づけはじめました。まあ、さしあたりは、ひと目にたつ窓辺の小さい門松などをしまっています。ところで、その後に何を置こうかな。また耳のかけた白い馬の置き物でもおいておくかな。
この馬はずっと昔に福岡のロシア展の催しで買って、午年生まれの母にやったら、冷蔵庫の上に載せておいたのを猫が落っことしたらしく、耳が欠けました。でも、ほっそりした美しい姿が魅力的で、私は田舎の家の新しいきれいなトイレの窓にずっとおいていました。

その後、私が大学で責任者だったセンターの若い人が結婚したとき、その人のお祖母様が記念に赤い毛糸で編んだ小さい帽子を、お祝いに皆に配ったのを私ももらいました。ちょうど大きさがよかったので、耳の欠けたのがわからないように、ずっとかぶせてやっています。でも真夏は暑そうなので、代わりの麦わら帽子がないかと人形ショップなど相当探したのですが、まだ見つかりません(笑)。
で、今は赤い帽子をかぶせて、美尾庵(下の家)の小だんすの上においているのですが、やっぱりあれを窓においておくことにするか。

◇目まいはこの前に比べるとわりと早く回復して、もうだいたいよくなったのですが、一時は吐き気もしてあまり食欲もなかったので、しめた、この機会にいつもはびびって買えない高いイチゴや、上等のケーキや、お寿司やなんかをわんさか買って思いきり贅沢をしてやろうと思っていたのですが、そろそろ普通に何でも食べたくなって来て、この計画は断念すべきか、悩んでいます。まあ、イチゴぐらいは買ってもいいかな。

◇それにしても特養の介護報酬が引き下げられるとか、友人知人で、そこを頼りにしている人も多いのに、直接に自分のことではないのに、胸に銃を突きつけられたようなショックを受けています。
しかも新聞を見ると、政府は先々は在宅介護をめざしているらしいとか。気、狂ってるんですか。私もだけど、そんなことしたら働けなくなる人、崩壊する家族が続出するのが、いったいわからないんですかね。
ほんとに実態を何も知らない。あきれて物が言えませんよ。
在宅介護をしたい人もしてほしい人も、むろんいるでしょう。でもそれはそれで、誰もが一番望むような選択ができるように、せめてしておくべきでしょう。
本当にもう、何もわかっていないとしか言いようがない。

佐賀県知事に反自公の候補が当選したとか。まあ候補者の個性の問題もいろいろあったようですが、それにしてもこんなに国民のことを考えない政権には、地方選挙でそれなりの意志を皆が示すしかないですね。その最初の例になればいいと、つくづく思います。

◇フランスのテロについてもいろいろまだ書いたり考えたりすることはあるのですが、当面週末の講演の準備をしないとなあ。またせっぱつまってから無理したら、体調が心配。

ただ、ひとつ言えるのは、風刺とか笑いとか言ったときに私がろくなものを思い出せないということも、きっと不幸なんですね。前にも書いたけど、昔たまたま母が田舎の人たちと名古屋に旅行したときの観光バスに一時乗せてもらったら、そのガイドの女性がまあ、乗客である田舎者をバカにした冗談ばっかり連発して、それにまた母も含めた乗客全員が大うけで喜んでた。その情景が悪夢のように今でも消えません。ついでに誰が何と言おうと私はビートたけしも綾小路きみまろも大嫌いです。更についでに言うなら東海林さだおも、時々イライラさせられた。快感よりは不快感を感じた方が多分ずっと多かった。毎日新聞の彼の四コマ漫画が終わって、ほっとしてるのは私ぐらいのものかもしれないが。
風刺とかギャグとかいうのは、例外はあるでしょうが、まずは強い相手に向けるもので、それから笑われた相手がどれだけ傷つくのか最低の想像はできる能力が必要だろうと思う。

しかし、今回のテロで、考えて見るといっちばん腹立つのは、多分綾小路きみまろやビートたけしや、あのバスガイドは「自分たちが攻撃された」という怒りや不安は多分ちっとも感じていなくて、「自分たちはそんな目にあわないように気をつけてるもんね。自分たちが風刺した人たちは喜んでてもテロなんかしないもんね」と、のんびりしてるにちがいないってことだよね。
その上、国営放送でギャグを制限しようとしているような、自分が普通に批判されただけで被害者みたいな顔する首相がいるようなこの国じゃ、ましてや、あのテロが攻撃したものを真剣に守ろうなんて姿勢になるとは思えないとなると、そういう怒りのすべてはやっぱり、あのテロを起こした犯人に向けるべきなのだろう。それはわかっているけどね。それでもむしゃくしゃするんですよ。

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カツジ猫