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忙しいから、最低限のことだけ書いておく

授業は休講にしたのですが、学生の皆さんに先週しゃべったことの続きを、このブログで書くかもしれないと言っていたので、それだけは書いておこう。

ことの起こりは、くり返しますと、日本文学への中国の影響が大きいと私が説明したのに対し、尖閣問題がかまびすしい折から、「でも最近の中国はどう思われますか」のような質問が出たことに対しての私の意見と感想を授業で話したことです。

その時私が言ったのは、「どこの国でも他国の文化の影響を受けたからって、その国が劣っていることにはならない」ということでした。
それにつけ加えて、最近の日中関係について、次のように話しました。

「私はとにかく戦争がきらいであるし、何としてもさけたい。理由は話せば長くなるが、戦争とはどんなものかは、皆小説なり映画なりでできるだけ実態を学んでほしい。これほどしょうもない、くだらないものはない。」

「戦争になると一見秩序が崩壊して新鮮な感じになるような気もするだろうが、実は戦争というものは、平和な時にまして、ものすごく管理体制が厳しくなって窮屈になるものである。それだけでもう私はごめんである。」

「それと私は、国とか県とか出身大学とかその他あらゆる基準で、誰かとまとめられるのが大嫌いである。私の人の好き嫌いは出身地や居住地や肌の色や性ではまとまらない。同じ日本語を話して米の飯を食べて同じ性でも、まったく理解しあえない人間はいくらでもいて、こんな人よりはエジプトの羊飼いやアラスカの猟師との方が言葉は通じなくてもきっとわかりあえるだろうと思うことがよくある。それどころか台所のタワシの方がまだ心が通い合うような気さえする。
それでも戦うとなると、まとまらなければならない。女性が差別されているのに私が一番むかつくのは、そのために女性全部とまとまって力を合わせて戦わないといけないことで、やってはいるが本当はそれも私は好きでないのだ。」

「しかし、今の尖閣諸島のような問題が起こると、一番大事なのは、どういう見解でも意見でも、落ち着いてたがいを傷つけず、きちんと意見を交換することだ。戦争がいやで平和を守ろうとするなら、なおのこと、まずはそれを心がけ、そういう場を作らなくてはいけない。」

「もうひとつ私が心がけるのは、そういう討論でも実際の戦闘でも、戦うとなったら何より最初にすることは、自分と味方の弱点と欠点、敵の長所と魅力の徹底的なチェックだ。
日本が中国でした残虐行為を知らせたら愛国心が培われないと心配する人がいるが、私に言わせれば、自分でも家族でも身内でも国でも、人にちょっとでも批判攻撃されそうな欠点や弱みや傷があったら徹底的に知っておくべきだ。それも一番不愉快な、都合の悪い情報を。そして相手に何を言われても、『それはよく知っています』と言えるようにしておかなくては、危なくて喧嘩もできない。反論するにしても謝るにしても、対策を考えておくべきだし、そして何よりも大事なのは、どんなに恥ずかしい醜い過去があったとしても、それが真実とわかったとしても、それでなお、自分でも国でも愛するのでなくてはならない。愛するということの、それは大前提だろう。」

・・・と、たしか、これだけ言ったんでした。
続きを書かせていただきます。

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カツジ猫