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忙しいから、最低限のことだけ書いておく(3)

きりがないので、本当に簡単に書く。
この一週間で、尖閣諸島の話はどこかにふっとんで、北朝鮮の砲撃から日韓、米韓の合同演習、武器持ち出し禁止三原則の見直しと、話は急ピッチでどっち方面にかわからないが、進みつつある。戦争反対や軍備反対を唱えることが難しい気配さえある。
方向としては、自衛隊をもっと強化しよう、アメリカとの安保体制をもっと強めようということになって行っているようだ。

私はアメリカという国が嫌いじゃない。女性問題では特に尊敬し、親しみと感謝の念を抱いている。
自衛隊にも友人知人教え子がいて、感情的な反感は持っていない。

その上で、と言うより、むしろ、だからこそ言うのだが、この動きはかなり危険である。

以前、九条の会で若い学生たちに基地問題について話してもらった時、やはり、中国や北朝鮮の脅威をどうやって防ぐかということが話に出て、アメリカに守ってもらうしかないのではという意見も多かった。
その時、私が気になって発言したのは、次のようなことだった。

「中国や北朝鮮のことが心配なのはわかる。しかし、気になるのは、アメリカに守ってもらい、自衛隊に守ってもらって、それで自分たちは心配しないでいたいという気持ちが皆さんの中にあるように感じるからだ。自衛隊やアメリカにたよるというなら、それはそれで、やはり中国や北朝鮮と、この私たちが、自分たちがどうするかを考えないと、それは誰にもまかせられることではない。」

「アメリカと協力していることが、そんなに安全かどうかは怪しい。アフガンやイラクの例でもわかるように、アメリカもまた時によってはかなり暴走し、危険な大国だ。そして、アメリカにしてもどこにしても、いざとなったら、自国を放棄して日本を守ることなど、絶対にあり得ないし、普通に考えてもそんなことは要求できない。第二次大戦の時でも南方の島々はそうやってアメリカに放棄され、日本軍に蹂躙された。それはアメリカにしてみれば、当然のことで責められるべきことではない。あくまでも大切なのは自国の防衛で、同盟国は二の次だ。」

「では自衛隊が私たちを守ってくれるか。局地的には一時的にはそういうこともあるだろうが、これまでの歴史を見ても、第二次大戦の時の沖縄を見てもわかるように、どんなに強く良心的な軍隊でも、すべての国民とその財産を守ることなど、絶対に不可能だ。
軍隊が国を守るというのは、どこの国でも同じだが、国民を守るのではない。大統領か首相か天皇か富士山か、何でもいいが、それが残っていさえしたら、また国が再建出来るかもしれない、国家の核や中心や象徴を守るのである。
言いかえれば、そういう時に自分や家族や財産が焼かれても滅ぼされても、ああ、あの首相が生き残ってくれたら日本は滅びないだろうと笑って死ねるような代表を、私たちは選んでおかなくてはならないのだ。
軍隊は国民のひとりひとりは守れない。そんな要求はする方が無理だ。歴史や小説はもちろん、パニック映画や戦争映画を見ただけでもわかるだろう。生き残るのはよほど国にとって価値ある人か、たまたま運がよかった人だけだ。私たち程度の庶民では、戦争がいったん始まったら、どんなに強い軍備を持っていても、その時点からもう命の保障はない。財産はもちろんだ。
普通の人間にとって、最高最大の安全保障は平和を守ることでしかない。戦争が始まったら、もうおしまいだ。」

これが、その時言ったこと。今回、もう少しつけ加えます。

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カツジ猫