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持つべきものは。

◇私は見てもいないのだけど、翁長さんの亡くなったのを、あからさまに喜ぶ書きこみもネット上ではあるようだ。
心のどこかで、まあしかし、死んだらせいせいしそうな政治家や議員は、私にもいるから、その気持ちはわからんでもないと思いつつ、自分はとにかく落ちついていようとしていた。

そうしたら、昨日突然、親友からメールが来て、翁長さんの死を嘆き、首相が喜んでるだろうとくやしがり、某俳優の死で一票減ったとうれしかったところなのにと、「ああーあ、あーあ、ため息しか出ない」と正直すぎる爆発みたいな文章が小さい携帯の画面にあふれていた。

もちろん改憲の署名なんかは大いに集めて協力してくれる人だけど、その大昔の学生時代、「ケネディ大統領が殺されたとき、中国の学校で子どもたちに万歳を言わせたそうで、許せない」(真偽のほどは知りません)と怒ってた人だし、パソコンは使わずテレビと新聞しか見ない人だし、そんなに四六時中政治に関心があるとも思っていなかったので、あんたそんなキャラだったかと思いながらも、本当に救われた。

彼女には、たまった絵葉書の断捨離をかねて、しょっちゅうハガキを出してるのだが、翁長さんの死については「残念だけど、がんばるしかないね」と冷静すぎるハガキを、ポストに放りこんだばかりだった。
「あんたのハガキで救われた。持つべきものは友だちだ」と、またハガキを出しておこう。

◇そう言えば私も毎朝、仏壇に手を合わせて適当な願い事をする最後に、「安倍内閣が一日も早く倒れて、よい世の中が来ますように」とつけ加えていたのだが、気がついたらいつの間にか「倒れて」が「滅びて」になり、最近では「消えて」になってた(笑)。

◇「報道ステーション」をはじめとしたテレビ朝日の番組が大幅に改変され、従来のスタッフが下ろされ、いよいよ報道管制も厳しくなって来たようだ。
翁長さんのような人の死を、公然と悼めるような世の中さえ、いつまで維持できるのかと暗い思いにかられている。
ここに来て公明党や立憲民主党(並べて書いちゃる)の対応は、本当にもどかしいし、許せない。

「レ・ミゼラブル」で、ラマルク将軍の死を契機に、学生たちの戦いが起こるあの場面を連想する。その先の展開はともかく、あの時に歌われた歌が自然に心によみがえる。武器や暴力は使わないでも、心とことばの弾丸を、翁長さんの死を悼むすべての人が撃つときだ。

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カツジ猫