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映画「ロビン・フッド」感想6

なので映画が公開されて、ちょっとびくびくしながら行ってみたらさ…(笑)。
この処理のしかたが、果たして最上だったかどうかは私にもわかりません。リチャードをとっとと片づけて「なきもの」にしちまうと言うのはですねー。しかし、現在の歴史的評価を最低限、観客がしらけない程度には取り入れなきゃいけないとなったら、大胆なようでも結局これしかないかもねー。

そして、監督がほんとによくわかってやってるなと痛感したのは、そのリチャードを決して粗末には扱わないで、ちょっともう、見ていて冒頭、この王様を主役にしても一本映画が撮れるんじゃないかと思ったぐらい、リチャードという王様を、しっかり描いてくれていたことです。いい俳優を使って、いい演技をさせて。説明のひとつもなく、画面と演技で実感させて。短い場面の中で、勇猛で豪胆、そしてあくまで支配者、卑屈じゃないけど、大らかな無神経さも持っているリチャードという人物をありありと創り出してくれていました。

これは、伝説のなかのリチャードのイメージでもあるんですよね。たとえば「アイヴァンホー」の中で、正体を明かした王と、ロビンの仲間たちが森で宴会をしている時に、ロビンと主人公の若い騎士(王の部下、アイヴァンホーのウィルフレッド)が心配して、「そろそろお開きにした方が」「王と親しくするのは、獅子の子とじゃれるようなもの」「私の仲間も乱暴だし調子にのったら何をするか」とひそひそ相談する場面がある(笑)。
あー、監督は十字軍をしっかり批判し、敵のサラディンをあんなにカッコよく描いた映画も作ったけど、それでも、それだけに、リチャードという王の弱点も魅力も、すべてひっくるめて理解して愛しているんだなーと、まずもうそれだけで、安心と感謝とに目頭が熱くなりました。

リチャードの描き方ともうひとつ、この映画を今作るので難しいのは、「義賊」というものの描き方ですよね。鼠小僧とか怪盗ルパンとかエロイカより愛をこめてとか(笑)、そんな魅力的な泥棒をコメディでもなく漫画でもなく、道徳的に人に反発されないように、いまどきどうやって描けるんでしょうか。それも考えてみれば、むずかしいことだったと思います。

とか言ってたら夜中をすぎた。つづきはまた、明日…書けるかな?

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カツジ猫