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映画「人間の条件」。

◇キャラママさん、ゆきうさぎさん。
「ゲド戦記」感想、つい原作を読みはじめてしまったんで、もうちょっとお待ちを(笑)。

◇終戦記念日の夜は、NHKの衛星放送かなんかでやってた映画「人間の条件」の第一部「純愛編」を見てました。
何度も見たので、おおかた覚えているのですが、なお、どの場面も新鮮です。
昨夜は、ひきつづき第一部「激怒編」を見て、宮口精二の王亨立にいつものことながら、見とれました。
悪役の俳優たちも実にみごとで、特に所長の三島雅夫さんだっけ、今もいるよこんな人という、そういう言い方あまりしたくないけど、ものすごく日本人的なしょーもない上司を、あまりにもみごとな型にはまった(ほめてます、ほめちぎってます。笑)演技で見せつくしてくれて、怒りながらも笑ってしまうほどでした。

主人公の梶の、仲代達矢ももちろん、出演者全員の、顔の迫力、目の迫力が、ギラギラしていて、すさまじい。
「渡る世間は鬼ばかり」で最近きれいなおばあさんやってる、淡島千景の妖艶な美しさも、有馬稲子の初々しさも目を楽しませます。新珠三千代演じる美千子のカマトトっぽさには毎回へきえきしてたのですが、今見ると、この人も当時か、むしろ戦後かの、けんめいに前進していた新しい女性の姿だったのだなーと、あらためて理解できました。

私は昔、最初に映画館で見たときから、第一部が一番好きだったんですが、今夜からも二部、三部がずっとあるようなので、多分見るだろうな。終戦記念日にはほんとに、いい企画だったと思います。

王亨立の魅力的なことばの数々も、実はかなり堅苦しい「組合用語」なんですよね、言ってみれば。でも、そういうことばの数々の美しさとカッコよさを、あらためて思い知らされました。今では手あかのついた、古くさい、死に絶えかけていることばの数々が、乾いた中国の大地の上で、どんなに荒々しいみずみずしい魅力と迫力を持つことか。宮口精二、ほんっとに名優ですね。

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カツジ猫