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映画「桜の園」感想(とはとても言えない)。

私の方は深夜ぼうっと、「桜の園」の映画なんかをテレビで見てました。わりと最近の新しい方のです。

なんかどっかで、てか、あちこちでめちゃくちゃ悪く言われてたような気がしてたから、桜と女の子たちが見られりゃいいやって感じで、ぼうっとながめてました。別にいいとは思わんが、そうめちゃくちゃに悪くもないやん、とも見たあとで思ったんですが、まーこれを映画館で見たら金と時間を返せって言いたくなるかもな。

でもなー、恩田陸の小説でもそうなんだけど、女の子たちの世界ってなぞめいて華やかですてきなんだけど、だからってやりすぎると…おかしな話を力入れててんこ盛りすると、見られたもんじゃなくなるしなー。恩田陸の作品読んでると、楽しいけど最後にいたってなんかいつもだまされたようなものたりなさが残るんだけど、それでいい、そこがいいのかもしれないんだよなー。

今回の「桜の園」の映画って、みな、どっかで見たような要素を集めて、てきとーによりあわせて最後にするする勝手にそれほどいて、はいおしまい、って感じで何の印象も残らないんだけど、変なインパクト残すよりかは、この方がまだありがたいって気もしないではないからなー、実際のところ。

ただ、むしろ見てますと、自分自身も友人たちも、あのころ、つまり少女のころ、高校生のころと、あまりにも気分が変わっていないのに、なんかこうがく然としますね。いいんかしらこんなんでってぐらいに。
ときどきホラー小説や漫画や映画やなんかで、しわくちゃの老女の顔した女の子とか出てくるじゃないですか。自分があんな存在になってそうで、若干こわい。
うーん、トシにふさわしい老婆になるには、どーしたらよかろう。

私、「西の魔女が死んだ」みたいな、ああいう魅力的なおばーさんになって、ひねくれた感性ゆたかな少女の成長につきあう気なんざ、まるっきりないんだよなー。そりゃ、あーゆーばあさんは、それはそれでいていいけどさ、私はもっと悪いばばあになりたいよ。子ども困らせて男泣かせて、社会を混乱させるみたいな。「ロビン・フッド」の映画見たばっかりだから言うわけじゃないけど、裏山の鹿をこっそり殺して食ってるとかさ、そういうババアになってみたい。

あ、何で女子高生の話がババアの話になるんだろ(笑)。

「桜の園」の映画に話戻すと、この映画の作り手は、多分こういう題材の魅力はすごくよくわかってるんですよねー。女の子。桜の森。古い建物。禁じられた演劇。昔の友情。今の友情。お嬢様の生態。青春の挫折。過去を知る中年(老人?)。何もかもとても人の心をひきつけて、だからこそ、それらの題材すべてを大事にあつかって、汚さないようにした結果、ああいう、ものたりないものになっちゃった映画のような気がします。

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カツジ猫