映画会のあいさつ
(以下は、今日の映画会で、私がしたあいさつの、原稿です。
映画は「黒川の女たち」で、むなかた九条の会の主催でした。
午前午後二回の上映で150人ほどの参加者があり、用意した資料が足りなくなるほどでした。
選挙の結果に、危機感を抱いた方が多かったのでしょうか。
その方々への、今の私の、せいいっぱいの回答です。
ぜひ、お読みになって下さい。
映画は、とてもよかったです。感想はできるだけ早く書きます。)
以下が、私のあいさつの原稿です。ほぼ、このままにしゃべりました。
要点は「あんなのはそもそも選挙じゃない」「高市さんはうれしそうに見えない」の二点かな(笑)。重複することも多いけど、こちらもごらんになって下さい。

実は代表の一人として、第一回の上映で、ごあいさつする予定でした。
しかし、第二回の上映のごあいさつに回ることになったので、第一回を見においでの方にも、この資料をさしあげておきたいと思います。(板坂耀子)
この映画を皆さんに紹介する前に見ておこうと思ってまだ見ていません。
見ないままでお話すると、私は小さい時から今まで、たくさんの戦争を描いた文学や映画に触れてきました。そして、戦争だけは絶対にしてはならないと思っていました。
でも、今になって思い出すと、そう考えて決意する時、私はいつも自分が男性で、戦場の兵士として「絶対にいやだ」と考えていました。
理由はいくつかあります。そういう文学の主人公のほとんどが男性で、女性は戦争に家族や愛する人を送り出して奪われる被害者として登場していたからです。
戦争になれば、女性自身が性被害者になるという話を詳しく描いたものはほとんどなく、あっても平和な日常の中での性被害を描いたものもそうですが、どこかポルノめいていて、いやでした。結局私は、戦争に強く反対しながらも、女性としての自分が性被害者となるという現実に、向き合って来なかったのです。
今の若者たちが戦争が近づく現実に向き合わないと言いますが、本当に深刻なことには、人はかえって向き合えないものかもしれません。
そういう反省もこめて、今回、この映画を見たいです。
今日おいでになった皆さんの中には、私がこの前の選挙結果についてどう考えるか聞きたい方も多いと思います。
私も投票には行きましたが、あんなものは選挙でも何でもないと思っています。中道の野田さんはいやにしょげてましたが、あんな選挙に負けるのは、恥でも何でもなく、まっとうな政治家で人間である証明です。
そもそも選挙というものは、候補者が自分の考えや意見を皆に訴えて、判断してもらうものです。高市さんは最初から最後までそれを全然しなかった。何を選ぶのか何をしたいのか具体的なことは何も言わず、気に入られそうなことばだけを並べて、疑問も質問も避け、情報も資料も与えず、金を使ったイメージだけで宣伝をして、それに皆が気づく前に最短期間で投票をさせた。
「しんぶん赤旗」の記事を見ると、選挙の実態がどんなものだか、手に取るようによくわかる。

これは最近では参政党がやっていた方法で、こんなのは政治でも選挙でもありません。保守でも革新でも右翼でも左翼でもちゃんとした政治家なら、まずこんな選挙はやめさせるように全力を尽くすべきです。それを、あろうことか、首相は、その手法をそのまま使って参政党のお株を奪った。情けないにもほどがあります。ワイドショーでは、この勝利から何を学ぶかとか言ってますが、こんな手法を礼賛するのは、トクリュウの手口を評価するのと変わりません。
だから大した教訓も見つからないようだし、私の見たところでは、高市首相も支持者の皆さんも大勝利したと言うわりには、あんまりうれしそうな顔をしていない。達成感も充実感もさっぱり伝わって来ません。そりゃそうでしょう。心から自分の信じること、これからしたいことを、具体的に声を枯らして訴えて、反対意見の人と議論して討論して、争点を明確にして、弱点や誤解を説明して、そうやって認めてもらい、支持してもらい、選んでもらった喜びも自信も皆無なわけですから。支持した方も、悩んで、比べて、決意して覚悟して投票したのじゃないのだから。政治家として、選挙民として、何の喜びがあるでしょう。どんな満足があるでしょう。
これからどうなるかは、わかりません。また例によって、雰囲気だけでゆっくり考えさせないで、どんどん何かを決めるために、さしあたり、憲法を変えようと高市さんは急ぐのかもしれません。混乱も右往左往も、しばらくは続くでしょう。
しかし、それはそれとして、今私に言えるのは、九条の会はもちろん、公明党も右翼も自民党も、まっとうな政治と選挙と国と人間を望む人は、今回の選挙もどきが示したような現政権のあり方自体を、とりあえず、やめさせるべきです。それぞれのやり方で、それぞれの立場で、全力をつくして。
防衛問題も憲法問題もエネルギー問題も、意見がちがうのはちっともかまいません。大いに議論し、話し合いましょう。冷静に、熱く、たがいを大切に、敬意をもって。むなかた九条の会も、これまでできるだけそうしようと、努力してきたつもりです。
それでも、ずっと同じメンバーだと、だんだん似てくるかもしれません。どうぞ皆さん、参加して、ちがう意見を聞かせて下さい。会費はいらないし、特に義務はありません。詳しくは事務局の方からお知らせしますので、どうぞよろしくお願いします。
2026.2.14.「黒川の女たち」映画会あいさつ 板坂耀子