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春の嵐

先日博多のデパートで衝動買いした唐津のむきあさりを、おっかなびっくりごはんに炊いて、一応無事に出来たので安心してベッドにひっくり返って寝ていたら、いきなり雷が鳴って土砂降りになった。あわてて洗濯物を取り入れたが、せっかく今朝、野良猫が庭に糞をしていたのをすっかり片づけて、高い忌避剤をまいたばっかりなのに、雨で流れてしまったかなあ。
犯猫は、ときどき庭に出没する、三毛猫と白黒猫なのはわかっていて、ご近所でエサをもらっているからか、うちのカツジ猫よりよっぽど太って色艶もいい。見てるだけでもほれぼれするが、糞は困るので、何とか対策を考えないと。あいつらはでぶだから、いっそ、身体が入らないように、小さな花の鉢をいっぱいおいてみたらどうだろう。だめかしらね。

でも、そうやって庭を片づけてると、去年枯れたと思ってた、あじさいの株に青い新芽が生き生きと芽吹いていて、わっ!と思わず声をあげて喜んでしまった。育てよー。

電気代の領収書兼請求書がポストに入っていて、二軒の家でエアコンを使うので相当な額になっていた。まあこれは想定内だし、それで上の家の二匹の高齢猫が元気で部屋も汚さないからかまわないのだけれど、「お知らせ」とかの紙もいっしょに入っていて、「電気量を下げます」とある。
それもいいのだけど、「原発が再稼働しましたので下げられるようになりました」とか、嘘ばっかりの理由をいけしゃあしゃあと書いてやがるのでムカついて、前から思っていたけど、いっそこの機会に、自然エネルギーに切り替えたろかと真剣に検討中。
ほんとにマジで、ふざけんな。玄海にしろ川内にしろ、何かあったら九州どころか風に乗って日本全国全滅だぞ。すっとぼけやがってからに。

やけで借りてきたDVD数枚、期待値が低かったからか、どれも案外楽しめた。「母と暮せば」は、監督の山田洋次も主演の吉永小百合も超苦手で、かと言って二宮君の特にファンというのでもなく、なぜ借りたのか自分でもわからないのだが、その二宮君と黒木華が、悪目立ちせず嫌味なくうまいのに救われて、まあ気持ちよく見られた。しかしさあ、江戸の後期戯作じゃあるまいし、何でああまで、何から何までせりふで説明しちゃうかねえ。ラジオドラマかよ。

ヤフーの映画評じゃ「こんなの別に原爆でなくても成り立つ話」という批判が出てたが、仮にそうでも、いや多分そうだが、それがなぜいかんのかね。トロイアの女でも原爆でも3.11.でも悲劇には相当の部分が共通するし、それを描くのも大事なことだ。個々の特別さを描くのと同様に。

吉永小百合は誰が何と言おうと大根役者だし、山田洋次の作風も根っから好きではないが、まあこんな切なく悲しくひどい話は、とことんの名監督と名優によって、完璧に描かれたら悲しすぎて見ているだけでもこっちが死にたくなるだろうから、このくらい大ざっぱで適当なのが、かえって救いになるっちゃあなるな。そういう点では快かった。ほめてることになるかどうかは知らんけど。

「ランペイジー巨獣大乱闘」は、ゲームの映画化なのらしい。アホらしい話を大真面目で手を抜かずに作っているのが、気持ちよくって楽しめた。あらためてゴジラって、動きがのろくて、ゆったりと街を破壊していくのが優雅で品があるのだと確認した。あの巨大化オオカミが宙を飛んで、ビルの屋上でも飛行機でも破壊しちまうのなんてどうよ。爽快ったらない。…がしかし、こういう映画を作って放映できるというのも、3.11.も9.11.も昔のことになったのだなとも思う。
言っておくけど、原発さえなければ、3.11.の悲劇の意味も、復興の意味も、全然ちがうものになってたはずなのだ。前を向いて歩みだしたら、行先に巨大な怪物が先回りして立ってた、救いのないホラーの結末みたいなものだよ、原発事故は。それがどうしてわからないのか、再稼働する人たちは。

最後の一枚「ビハインド・エネミーライン」は、最初についてる予告編の数々があまりにもとりとめがなく、悪趣味なグロ映画のつめあわせで、こここりゃいったいどういう映画だと逆に興味がつのった。始まったら何だかロシア映画のようで、昔の人なら知ってるだろうが、ソ連だかロシアだかの映画というのは、俳優も何もかもものすごく水準が高いのだ。しかも第二次大戦中のドイツ兵に占領された村の女たちの抵抗なんて、いまどきそれ何というような話で、ついでに言うとソ連映画って、そりゃもう第二次大戦で市民の死者が他国よりけたちがいに多かったこともあって、ナチスと戦う正義の共産軍を描いていてさえ、常に徹底的に反戦思考がものすごい。(今確認したらドイツ映画でした。で、負け惜しみで言うんじゃないけど、ドイツ映画もけっこう反戦思考は強いんじゃないかと思うんですけど、何となく。)

何だかんだで、これまた興味津々で見た。いやもういろいろ面白かった。内容はとことん救いがないけど、一分のすきなくと言いたいぐらい、よくできていた。でも時間がないから今日はここまで(笑)。あとは明日にでも書きます(ほんとかな)。

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カツジ猫