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昨日の続きかな

そらまあ私も、第二次世界大戦で、多分どこよりも市民が殺され、ナチスドイツの被害者になったロシア(旧ソ連)やイスラエルが、今や自分たちのされたとおなじことをウクライナや中東に対して行い、中国もそれとつるんでるかに見えるこの状況を日夜目にしてると、被害者で正義の味方だったからって、信頼してたらえらいことになるし、油断はできないとつくづく最近思っている。他にもいろいろな点で中国に気を許してはいけないとも考えている。

しかしですよ、だからこそ言うのですが、そんな隣国とつきあって行くとしたら、まず何よりもすることは、相手を(敵を、でもけっこう)知り抜き理解することではないかと思うのですがね。いやさ、いろんな戦いにおいて、それは常識ってものではないでしょうか。

私は「むなかた九条の会」の代表もしてたし、平和憲法は大事だとしんそこ思っていますけれど、昔からわりと骨の髄まで頭も心も戦闘モードで生きてる人間なのよね。戦って勝つにはどうすればいいか、わりと日常的に考えてます。それがクセだしサガなのよ。なぜこうなったかは知らんけど。

で、高市首相でもそのとりまきでも、世界の中心になって、てっぺんとりたいとか、中国に負けたくないやられたくないとか、死にものぐるいで日本を守らなければならないとか、考えている人の所業とは、見ていてちっとも思わないのですよ。
 たしか高市氏は、昔日本が他国にしたことの責任を自分に問われても困るとか、過去の歴史を今さら詳しく知る気はないとか、言ったような言わないような、まあ少なくともそう考えている人のようです。多分、支持者や、とりまきの方々も。

それが私は、とんとわからん。勝つ気があるとは思えません。
 私は、誰かとけんかしよう、たたきのめそうと思ったら、まずは最初にやることは、相手(とその味方)の長所と、自分(とその味方)の弱点の徹底的な確認です。とりわけ、相手が私には決して見せない、だからこちらには見えてない、魅力的なところや愛すべきところを、とことん数え上げて、それがどれだけの力を持つかを予測します。同時に自分の過去や行いや欠点や人に嫌われそうなところを、誰よりも厳しく数え上げて、どれだけ攻撃の種にされそうかも予測します。その上で戦うかどうするかを決める。それが今か先かも決める。

ナチスドイツや天皇制下の日本が、他国やアジアに何をしたか、それをどう思われてるか、いざとなったら、そこをどのくらい批判されるか、まっ先に知っておかなくちゃいけないことでしょうが。本気で戦おうと思うなら。自国を守ろうと思うなら。そんなことさえしないでおいて、相手の欠点ばかり見つけて、相手がこっちをどれだけ憎んでるか、どうでもいいと思っているか、そういうことをチェックしないでいるなんて、正気の沙汰とも思えない。百歩譲って、ただの国民ならともかく、指導者やトップがそれでは、絶対にいけない。無責任すぎます。欠陥商品のマンションに住んでるどころの騒ぎじゃない。

先の大戦で、日本が中国に何をしたか。それを中国や世界はどう見ているか。言っときますが、それがどの程度事実かさえ、さしあたりは問題ではない。いやもちろん検証して、あの戦争の正義とは何だったか、戦後レジュームは正しかったか、数字や資料は正確かなどなど、検証したければいくらでもしなければならないですが、それはさておき、相手や周囲が今、どう考え感じているかは、しっかりと、充分に、最悪の場合を予測して、知っておかなくてはなりません。

すでに中国は、ロシアやアメリカやフランスに、あの大戦でともに戦い滅ぼした、ナチスドイツや天皇制日本が息を吹き返しつつある、ともに何とかしなくちゃいけないと呼びかけています。あんたらが今してること、ガザやウクライナに対するやり方は何なんだと言い返すのは容易だし、理屈も通るとは思うけど、一方で日本がアジアの国々や西欧の捕虜や国内の反対派に対して行った残虐行為や不法行為は、はっきり言って弱みだし、スネの傷だし(というと弱すぎる表現だけど)、とにかく、ムショ帰りや幼児虐待の性犯罪者なみのレッテルはられた者の言い分だと思われたってしかたがない。

私はムショ帰りや性犯罪者の言い分だからって無視しちゃいけないし、差別しちゃいけないと思ってます。でも、言いたいのは、日本が隣国や世界と対立しようと思ったら(しなくちゃなりません、国家として一家を構えてるんだったら、程度の差こそあれ基本的には)、そういう傷や過去の罪が絶対に相手や周囲に口実を与えるし、不利になるっていうことです。

それが理不尽だと思っても、家族やご近所での場合と同じく、「忘れましょう、過去のことです」と言うのは、加害者だった側が口にできることじゃないんです。ひたすら頭を低くしてやりすごし、もうそんなことはしませんと謝りつづけるしかないんです。それはそれとして、相手に抗議も交渉もして行かなくちゃならないけれど、過去の過ちについては、明確に否定できるだけの資料をそろえて名誉救済を願うか、そんなことはもうしないという姿勢や業績を積み上げて行くしかありません。
 この点で平和憲法と戦争放棄が、どの程度手っ取り早く役立っているか、大抵の人はまだ実感がなさすぎるのではないでしょうか。あれはそういうことをアピールするのに最高の葵の印籠、錦の御旗ですよ。

そのへんのことは、まあいろいろと皆さまご意見もおありでしょうが、とにもかくにも何をするにも、そういう点で「相手は自分をどう見てるか」「周囲は自分をどう見てるか」の徹底的な分析や検討が、高市首相や支持者の方々は、あまりにも大ざっぱすぎる。知ろうともしなさすぎる。
 いじめ問題の基本のひとつは、「被害者の方は忘れない」でしょうが。そういう常識を国家間ではけろっと無視してしまうのが、政府もワイドショーも、うかつすぎるし怠惰すぎる。くりかえしますが、それではけんかに勝てません。国も自分も守れません。
 まあ、今晩はこのへんで。って、私はシェラーザードかい(笑)。

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カツジ猫