1. TOP
  2. 岬のたき火
  3. 日記
  4. 歌舞伎見物

歌舞伎見物

◎日曜日に歌舞伎を見て来ました。珍しい演目が多くて楽しかったです。最初の「御摂(ごひいき)勧進帳」では、下っ端の首がぽんぽん舞台に転がる演出で、笑いました。最近では「毛抜」などでも、首が飛ぶの転がるのという場面は自粛する傾向にあるので、どうなんだろうそれは、と考えていたところなので、面白く見ました。
もっとも観客はあまりに作り物っぽい首だから(まあだいたいが、そんなもんですが)、気づいていなかったのかもしれません。最後には大桶に入った首を弁慶がかきまぜるという「芋洗い」までやってくれて、こりゃ確信犯だなと笑い転げました。観客も一応拍手喝采していましたが、私の隣の若い女性はさすがにびびったのか、連れの男性は拍手しているのに、途中で拍手をやめていたのがおかしかったです。

その他の、「道成寺」は奴道成寺だし、最後の忠臣蔵裏話は、よくやる「松浦の太鼓」と似ていて微妙にちがう「土屋主税」だし、構成した人はよっぽどひねくれているといおうか、趣向が好きと言おうか。まあ、大いに楽しめました。
「傾城反魂香」では、私は舞台で初めて見るトラが出てきました。もっとも、妙にけだるく藪にもたれかかっていましたが。舞台写真がほしいと思って、スタッフに「いつごろ出来るの」と聞くと、「今回はないんじゃないかと思います」だって。本当かなあ。友人が月の後半に行くので、見て来てもらおう。

観劇記を書いたらレポートとして認めると言っていたので、学生が数人来ていた。「最初のが一番面白かった」と言っていた。休憩にお茶でもと思っていたが、時間がなくて、帰りに皆で劇場の入り口で写真を撮って別れた。なかなか楽しい一日だった。

◎私の家の道路に面した塀の外にときどき路上駐車をされるので、駐車禁止のステッカーでも張ろうかとカタログを見たり、じゅうばこさんが教えてくれた、いろいろなご相談サイトで同じような悩みの回答を探していたら、面白くてついつい読みふけってしまい、さっぱり仕事が進まない。(笑)
それにしても、その相談の回答や体験報告を見ていると、私の場合などどころではない深刻な話が多くて、同情しながらあきれて笑ってしまう。そして、そういう路上駐車の常習犯は、注意しても頼んでも標識や掲示で警告しても、もともとが非常識な人たちだから、まず効果はなく、警察に通報して違反切符を切ってもらうのが一番だというのがおおかたの意見である。そうか、ステッカー買うのは無駄になるか。でも、ちょっと買ってみたくもあるしなあ。(笑)

◎東京都知事選、マスメディアがこれまでよくあったように、一人の候補にあまり露骨な肩入れをしないでいるように見えるのは、私がもう見限ってテレビを見ないでいるせいか、それとも各候補の支持が伯仲してきているのだろうか。何しろ、きちんと政策を伝えて、いらんコメントはしないでいてほしい。話がややこしくなるばかりだ。とはいえ、討論会に参加しない候補がいるのではそうもいかないか。意見のちがう相手ときちんと議論や討論はしないで、身内で盛り上がってパワーを得るという首相のやり方が、蔓延し始めているようで、大変不快だ。

だいたい、尖閣や竹島でも、共産党も含めて「あれは日本の領土だ」と皆が言っているのに、そのことを中国や韓国と話し合おうともせず、「問題は存在しない」と言い続けて、相手をどんどん激昂させ、そして自国の国民を怒らせて事態を悪くしつづける首相や政府の罪が一番重い。まあ、こうやって、とことん議論を避けていれば何とかなると思っているらしい点では首相の姿勢は最初から一貫している。問題は、それを周囲が何とも言わずに、それでうまく行くからいいかと思い始めているらしいことだ。
対決をさけ、いい子になって同情をかうのは、弱い立場の者だけが使ってもいい悪知恵で、上に立つ者や権力者がするこっちゃあるまい。何を勘違いしているんだか。

◎じゃ大阪市長の方がいいのかと言うと、これまた誰かが書いていたが、市長選にかかる費用の数億円は市長が削った文楽の予算の51年分に相当するとか。そんな罰当たりなことをしておいて、よく恐ろしくないな。まあ、あの市長の、文楽への理不尽きわまる攻撃に抗議のひとつもできなかった、江戸文学の研究者たちと、その一員である自分自身を私は一番軽蔑しているのではあるけれどね。

Twitter Facebook
カツジ猫