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残される足跡

地方選挙の結果、大阪で維新がとんでもない選挙したのに当選して、えっと思ったら、和歌山県では二階氏の地元で自民現職が共産の新人に敗北、関西では5、6票の差で公明候補が数人落選、名古屋では共産が共倒れして議席を大幅に減らすなど、もうひと口に言えない結果だ。

福岡知事選では麻生副総理のゴリ押しした自民候補が、現職にボロ負けし、共産新人もそれなりの票はとった。福岡市議選では、緑の党とネットが現有議席を守ったのにもほっとした。

そりゃいいが、今日の午後の花見で、九条の会の仲間と川岸の満開の桜を見て楽しく飲み食いしていたら、先日の市議会で、共産党の提出した消費税値上げ反対の意見書が否決され、その反対討論を(つまり消費税値上げに賛成する討論を)する保守系の議員がいなくて(できなかったんだろう)、代わりにか何か知らんけど、国民民主党とネットの議員がそれぞれ15分ほどずつ、反対討論(つまり消費税値上げに賛成する討論)をしたと聞いて、驚いて声もなかった。

二人の議員さんはそれぞれ知ってるし、信頼もしているし、いろいろ事情はあるのかもしれないが、こういうことがあるからなあ、私が結局共産党と社民党しか信用できないという気になってしまうのよ。

理屈はどうでもつけられる。心情はいろいろあるかもしれない。ひょっとしたら共産党の方にもいろんな落ち度はあったかもしれない。それでも譲っちゃいけない一線、超えてはならない一線っていうのがあるだろうに。

文学を学んでいると、表には現れない、表面だけではわからない、心のひだや複雑な事情が細かく描かれる。だが一方で、歴史や記録や文書を見ると、結局はそういうものを捨象して、一人ひとりが最終的にどっちについたか、どういう行動をとったかが、たったの一行で書かれてしまう。

政治家や指導者や、人間すべてが考えなくてはならないのは、そうやって一行で片づけられる行動や発言を、誰にもゆがめられようがないぐらい、明確に鮮明に、まちがわずに刻んで行くにはどうすればいいかということだ。鳩時計文庫の「吉野の雪」で、義経のことばに託して私が書いた(146ページあたり)のも、思えばそれだったのだけど。

ともあれ、選挙の結果や情報については、以下のツイッターなどをごらん下さい。
地方選挙はあとまだ21日投票の後半戦があります。特に大阪12区の補欠選挙に無所属で立候補する宮本たけしさんには、ぜひ当選してもらいたいです。

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池田清彦

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