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沖ノ島の世界遺産登録

◎6日の宗像の市議会で、共産党の末吉議員が沖ノ島の世界遺産登録について質問すると言うので、聞きに行って来ました。
その前の新留議員の学童保育に関する質問も迫力でしたが、これについてはまた。

末吉さんは開口一番「ロシアのウクライナ侵略について抗議します」と言って、さすがは世界情勢も視野に入れる党だなあ、昔から変わっていないなあと感心しました。(笑)

さて沖ノ島ですが、このことを市議会で質問されたのはこれが初めてで、役場の内外でも何となく口にできない雰囲気があるとのことに、まず驚きました。私が一番心配している「腫れ物にさわるように、誰もが話せない話題になるのではないか」という状況は、もう生まれているのでしょうか。

この登録事業で使った予算はすでに2億数千万、今後の予定では4億まで行くだろうとか。その直前に学童保育の数百万の予算で子どもたちへのサービスがどうなるかが問題とされていただけに、聞いていて滅入りました。

末吉さんは、もともとはアスワン・ハイ・ダムの工事で水没しそうになった遺跡を保護しようということで始まった世界遺産が、本来はそういう戦争や工事から守ろうといった精神を今は失って、観光地として売り出すためのものに変質していることを指摘し、特に日本がこの事業に参加して登録申請し始めたのは、始まってからわりと遅くて、それは、日本ではこういった文化遺産の保護がきちんとできている体制があって、それで十分だったこと、それが登録申請に加わったことをきっかけに、今や日本は「世界遺産病」になり、関連する商売が跋扈して、もうけ目的に使われていることも指摘しました。

そして、今、沖ノ島は「暫定リスト」に載っているというと、すぐにも認められそうだが、実際には手続きは複雑で、可能性は3%程度であること、鎌倉その他、申請を中止して撤退した都市などもあること、共産党が最近市内で開いた九カ所の行政報告会のどこででも、沖ノ島の件については住民から懸念や疑問や否定的な意見が上がり、当初発掘に加わった大学教授ご本人が「もうやめてほしい」と言っていることを報告しました。

また、沖ノ島は従来、宗像大社と周囲の島民、漁民の方々が強い信仰のもとにしっかりと守って来た島で、文化財の保護と言う点では何の心配もなかった場所で、むしろ観光化されることでマイナス面も出るのではないかとも指摘しました。

更に女人禁制など大きな問題点にまったくふれないまま、市民にも説明のないままに話が進んでいることへの危惧も示された上で、来年、さ来年も認められなかったら、いつまでこの事業に費用を使うのか、市長は登山の愛好者でもあるが、勇気ある下山ということも必要なのではと問いかけました。

◎これに対する市長の回答は、

観光地にするということは考えていない。ただ、この遺跡を世界に知ってもらって、将来の宗像の子どもたちに誇りを持ってもらいたい。そういう未来の子どもたちのためにやっている。
「だめかもしれない」という考えは持っていない。そういう予測はしないで「必ず認めてもらう」という考えでやっている。

とのことでした。

私は市議会の傍聴はこれが初めてで、地方自治体の首長さんの回答がどういう程度のものなのか標準はわからないので、まああれはふつうなのかもしれないのですが、これだけ大きな事業をするときに、「だめになったらとは考えないで進めている」ということはあり得るのですかねえ。日本の、いや世界の戦争の、末期的な状況でよく聞く言い方だなと連想してしまいました。

子どものためと言うなら、これこそ、「女は行けない場所がある、女はできないことがある」ということを、生まれたときから身に染みて思い知らせる地域、そういう文化を根づかせて発信する地域を作ることが、男女を問わず将来の子どもたちに、どんなメリットがあるのでしょう。私が親なら、そんな場所で子育てはしたくないし、住みたくないし、行きたくもないし、自分の住む場所でなくても、あってほしくはないですね。

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カツジ猫