泣く直前の女。
◇キャラママさんは、ずっと以前、大学のある会議で役職にある女性が泣いて自説を主張し、それに男性たちがたじたじとなったらしいという話を聞いて激怒して「最低だ。私なら泣くぐらいならいっそ脱ぐ」と言ってました(笑)。
あ、つまりもちろん、そういう大事な会議の席で泣くなんてことは、それほどに考えられないことだ、って意味ね。
まー、そういう時に泣く女なんか、ほとんど人間扱いしなくていいという点じゃ私も彼女と同意見ですが、昨日ほんとにもううっかり、例の何とか細胞を作ったとかいう何とかさんの記者会見を、うっかりテレビで見てしまって、ひとつ気づいたことがある。私は泣く女も好かんですが、泣く直前の女はもっと好かんということです。つまり、ずーっと泣きそうに涙をこらえてる女って、泣いてる女以上に私をものすごーーっく不快にするってわかりました。
◇私はこの人に関するニュースを今までまともに見たことがなくて、どうもそれは何だか近づかない方がいいって、私の野生の本能が教えたとしか思えないんですが、その結果幸か不幸か、この人の顔も声も何一つ知らなかったんですよ、今まで。
いっしょにしたら死ぬほど話がややこしくなるからやめた方がいいのはわかってるんだけど、この感覚は実は浅田真央選手がとっても子どものころに天才少女ともてはやされたときに、本人のせいじゃないかもしれんけど、なんかヤバい報道のされ方だぞ、近よらない方がいいぞと思ってた感じとちょっと似てて、浅田選手がソチ五輪の最初で大失敗した時に、しまった、このまま彼女が消えたら私は彼女に関する、このモヤモヤした感じについて語れないし考えられないままになる、と少しあせった。その後彼女が持ち直したから、ちょっとほっとして、そろそろきちんと考えようかなと思いはじめてるとこで…などというのは、おいといて。
もっとも、ここ最近の何とか細胞発見の彼女に関する報道を見てると、同じフィギュアスケートでもトーニャ・ハーディング選手の方を思い出してしまうことも多いんですけど、そのこともまあ、おいといて。
◇で、とにかく、昨日の記者会見を見るまで、細胞も理研も彼女も、まともに見たことも考えたこともなかった。だから以前の報道をまったく知らずに見たんですが、何だかもう、すべてにおいて、まいったなあ。何あれ、いったい。
今にも泣きそうな顔をずっとしているのも意味不明だし、どことなく舌ったらずなものの言い方も気味悪いし、「あります」と言うときのあのたどたどしい口ぶりは何なのあれ。もうあの、たった四文字だけで24時間以上も私を体調悪くなるほど、げんなりさせる、あの汚染力はただものではない。
これもまた言うとややこしくなるけど、私が安倍首相を嫌いなひとつは、あのべちゃべちゃした滑舌の悪さで、英国王よりよっぽど先にあんたが言語指導受けろよと言いたくなるぐらいで、言ってることの内容がキライなのかあのしゃべりかたがいやなのか、区別ができなくて我ながらひじょーに困るのよね。あ、それもまあ、おいとくとして。
◇声も口調も表情もすべてが不快で嫌悪感をそそったんですが、こういう時に私って、待て待て、そういう感情でものを見てはいかんと思うから、むしろ理性的であろうとして、こういう相手には同情的になり共感し賛成し、その人の立場に立とうとして、かえってえこひいきしてしまう傾向があるんですよ。ややこしいやっちゃなもう、と言われることはわかってるけど。
だもんですから、ものすごく、ちゃんとこの人の立場に立とうとして、この人は理研の犠牲になってるのかもしれないとか、ありとあらゆる精神を総動員して、味方になろう理解しよう共感しようと努力したのよ。努力しましたさあなたそりゃもう。あの時同じ放送見てたどの視聴者にも絶対に負けないぐらいに全力挙げて。2時間半。ええそうよ、わたしゃ、やる時はやるんだから、それまでさぼってた分。
で、徒労でした。ほんとに、みごとに。これだけ努力が無駄に終わったら、いっそ清々しいわよねもう。
長くなるから、ちょっと切りますよん。