消え方去り方(おまけ)
昨日書いたことに、ちょっとだけ、おまけ。

そもそも、年にも関係ないかも知れないもんなあ、消え去るのも衰えるのも。西川選手と同じではないけど、やや似た俊足で人気の周東佑京選手が、多分まだ人見知りだったころ(笑)、試合の前後に勇気を奮って西川選手に話しかけて指導を仰いでいたような場面があった。その周東選手が最近は自主トレで、自他のチームの若い選手たちを指導する立場になっている。
どさくさまぎれに言ってしまうと、その自主トレで楽しそうにしていた他チームの有望な若手が、その直後に薬物使用とのことで逮捕され、即座にチームはもちろん球界からも完全に消えてしまった。
西川選手や周東選手につながる俊足の選手の活躍が、継承され広がることはいいことだと思っていたし、快く周東選手にアドバイスしていたような西川選手の姿を見ても、そういう伝統が続くことを期待していた。それがそういう思わぬ事件につながったのは痛ましかったが、私はその時、その若手選手に対してとっさに考えたのは、まあ病気で死ぬよりはいいんじゃないかとか、早めに引退していろんな方面で成功している選手もいるから絶望はするなとか、何でそんな犯罪行為を隠してよその自主トレなんかに参加したんだ迷惑だろとか言うよりも、「せめて尊敬する選手との楽しい思い出が最後に残ってよかった」だった。
それはまちがってなかったかもしれないが、思えばその時、周東選手の方についてはあんまり心配しなかった。だいたい彼は痛くても苦しくても悲しくても、いつもまったく変わらない、とびきり元気な笑顔満開で全身で躍動して見せる。しかも涙(かなり昔)も怒り(ちょっと前)も、それなりに見せて、めったにないだけ強烈な印象を残してくれているから(動画の再生数なんかものすごい)、それと合わせてたらもう、何をどこまで耐えているのか、見抜きにくくて始末が悪い(笑)。
しかしちょっと考えれば周東選手にとっても、その事件は衝撃だったはずで、裏切られたという怒りや、気づけなかった救えなかったという後悔や、先輩や指導者としての責任感や、その他いろいろ、気持ちの上で何があったかまったく想像はできないが、そういう心境や問題点から逃げたり目を背けたりすることはなさそうな人だけに、もう整理しているのかまだ整理中なのか知らないが、かなりの負担やもやもやにはなっただろう。
どのチームもこのごろは俊足の選手を養成し始め、ホークスにも有望な若手がいるが、なかなかそう一足飛びに成長するものではない。特に、よく言われるように周東選手は足の速さだけではなく、資料収集や全体の状況把握や判断が飛び抜けていると言われていて、これはたしかに、柳田選手の打撃指導と同様に、人には伝授できにくいのかもしれない。それを理論化して説明指導できる近藤選手のような人が珍しいのだろう。栗原選手が「(近藤選手が)いなくなったらどうしよう」とまで慕うのも無理はない。
とは言え、それこそ本多雄一コーチだって、その俊足の才能を惜しみなく周東選手に伝えてくれたわけだし、そのへんは何とかして、ぼちぼちでも周囲や若手に伝えて行ってほしいなあ。自主トレで起こったことにはめげないで。いや、もうとっくにそんなのは克服してるのかもしれないし、とことん大きなお世話なんだけどさ(笑)。