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猫の視線

朝ドラの「虎に翼」、先日私が注目?した本庁の無気力な事務官だか何だかは、今日は扱う案件の少年を「ガキ」呼ばわりして寅子にやんわり注意されながら、髪にクシを入れるか何かしていて、今後活躍の予感がしてちょっと期待してしまう(笑)。

ほっくほく

花江さんの幻もまた出て来た。なぜ彼女がどんどん嫌いになるか私はまだ分析途中なのだけれど、今日気がついた一つは、あの唇だけで話しているような、すねたような甘ったれた口調と声とがいやなんだな。ついでにそれにマッチした目つきも。
 もちろん、あれは俳優さんの演技のうまさで、それも次第に磨かれてきてるから、私と反対に夢中になる人も多いんだろう。男装のよねさんの男言葉も最初は何となく板につかない感じでぎごちなかったが、回を追うごとにこなれてなじんで来て、今はまったく異和感なく魅力的だもんな。絶対にこっちの耳がなれたせいじゃないと思う。

泣く女、幸せな家庭

どっちにしろ、まあ私のいかんのは、こういう、自分の神経を逆撫でするようなキャラだの番組だのに妙に見入って、癖になって、好きになりかねないことなのだよ。その昔、もう大嫌いだった「渡る世間は鬼ばかり」を気づいたら毎週やめられずに見ていたし、テレビの「サザエさん」も原作が大好きだっただけに最初は身震いするほどイヤだったのが、いつからか毎週やめられずに見るようになった。更に、その前に放映される「ちびまる子ちゃん」が、これまた何から何まで嫌で嫌で背筋がぞげぞげするほどなのに、なぜかこのごろしっかり見てしまうのが腹が立つ。

思えば昔、母が田嶋陽子さんが好きで、「そこまで言って委員会」で彼女が攻撃されるのにも、その他にも毎回すみずみまで激怒しながら、欠かさずあの番組を視聴していて、私は気が知れんと思っていた。というより、あんな不愉快きわまるものを見ていられる母の心の強さに感心し、敬服していた。そのパワーの源が皆目理解できなかったのだが、ひょっとして、これに近い心境だったのかしら。私は今でもあの番組を見る気にはなれないから、まだまだ母には及ばないが。

ところで今日も猛暑である。去年もその前も書いた気がするけど、この熱波を何とか利用せんかいと政府やその他に対してもどかしい。せめて自分はと思って、せっせと洗濯していたら(午後に干しても夜にはもうからっからに乾いてる)、タオルもふきんも洋服もベッドカバーも洗い上げて、洗濯するものがなくなった。
 食料はあるので、買い物にも出かけたくないが、運動不足で身体がなまりそうなのと、「さしみはないのか?」と毎回食事のたびにやってくる猫のとがめるようなまなざしが恐ろしい。やっぱり出かけてくるかなあ。

「忘却バッテリー」にはまったせいで(とうとうDVDも買った私もおしまいだ)、ついつい高校野球の地方予選の中継を見ているのだが、30度の猛暑の中で選手も応援団も観客も、もう見ているだけで、こちらの方がどうかなりそうで、試合経過の面白さ以上に、ドキドキヒヤヒヤしてしまう。熱中症対策でしちゃいかんと言われることを、全部してるし、させてるじゃんよ。マジでどうにかならんのか。

気軽に読もうとコーヒーのエッセイの文庫本をちびちび読んでたが、アンソロジーの何番目かの井上ひさしの項で、しんそこうんざりして、ぴたと読み進められなくなっちゃった。この人の政治的社会的発言や姿勢はまったく共感するし好きなのに、書く小説や戯曲はどれもどうしても、主張は同感するのに、何かがどうしても肌に合わず、ちっとも面白いとは思えない。ここだけの話、本人よりもそれを当選させる東京都民までが嫌いになるぐらい大嫌いだった石原もと都知事の書く小説の方が、ずっと好きだし面白かった。
 井上ひさしのエッセイは、喫茶店にコーヒーが好きでもないのに入り浸っていたのは、自分がテレビ関係の大物と店や客に思わせるような電話をかけて聞いてもらえるのがうれしかったからだと言うのだが、もうその心境のいじましさ、あさましさ、みっともなさが、自虐ネタ(ひょっとしてそう思ってもないのかも)にしても、ほんとうにいやだ。性犯罪やいじめの告白と同じぐらい、ひと目にさらしちゃいけないものじゃないかしらんとまで思う。

この嫌悪感が作用して、それまですいすい楽しく読んできた他のエッセイとちがって、もう一歩も読み進められない。こんなものにそう力を入れて読むこともないと思うから、なおのこと進めない。飛ばして先を読むのも何かしゃくだ。どうしてくれよう。

これは庭のアジサイですが、横に見えている綿棒の束が記憶にないので、首をかしげていたら、この前、お留守番に来て下さった、動物病院の看護師さんが、猫のカツジの耳掃除をしてくれた残りみたいです。あんまり汚れてなかったそうですが、耳をのぞいてみたら、すっかりきれいになっていました。気持ちよかろうねえ、カツジ。

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カツジ猫