生き物たち。
◇カツジ猫が、庭に来ていた猫たちのことを気にしていますが(笑)、それを言うなら、私もいろいろ。
この前、寒い朝に玄関先に鮮やかな緑色のバッタがいました。そこだけ夏が残っているような、目に染みるような明るい緑色でした。
寒いから家に入りたいんだろうと思い、もうきっと最期に近い数時間でも、入れてやりたかったのですが、カツジもいるし食べ物もわからないし、そのままつまんで、咲いたばかりの菊の草むらにおきました。
街ではよく通る交差点の角の、古い建物が壊されて、新しい何かが立つようです。
たしか信用金庫だったと思うけど、ここ数年、この建物の玄関の上には通行人が手が届くぐらいの近くに、ツバメが巣を作っていました。
ヒナたちの、生意気そうな黄色いクチバシの顔が並んでいるのが、下からよく見えました。
毎年、楽しむ一方で誰かいたずらしやしないかと心配し、でも無事にヒナは育っていなくなるので、あらためてここはいい町だと満足するという、ひそかな余得もありました(笑)。
来年ツバメはまた来るんでしょうが、どこか代わりのいいとこが見つかるといいけどね。
◇そんなものといっしょにしては失礼なのですが、多分秋ごろからだったか、ホームレスじゃないかというような女性を一人ときどき見かけます。
まだ若くて元気そうな中年の方で、手押し車に荷物を積んで、あちこち移動しているのを見ます。
特に母のホームから帰る夜の川沿いの暗い道では、コースが一致していたのか、よく車で追い抜いたりすれちがったりしていました。
新聞紙や古紙は、まとめて近くのスーパーの駐車場に持って行くと、自動の機械でポイントがついて、500点たまるとその内にお買物券になります。
ときどき、その女性が、すでに出された山の中から、本などを拾っているのに会いました。機械は重さを計量するので、こちらの作業中にそうされると、ポイントがつかなくなります。一度そういうことがあって、二度目に、「すみませーん。入れてしまうまで待ってていただけますか」とお願いしたら、すぐにさっと離れて下さいました。
私はそのあと、かなり長いこといじいじと、あの人にとっては大切なことだったのかもしれないのに、邪魔してよかったんだろうかとか、でも私だって重い新聞や雑誌をわざわざ整理して運んで行くわけなんだし、ポイントたまるの楽しみだしとか、でもあの人の毎日の苦労に比べたらそんなことぐらい我慢して当然とか、女学生みたいなことを頭のすみっこで考えていたのですが、スーパーの人が気づいて注意でもしたのか、最近そこではもうその方と会いません。
夜目に車から見る限りでは服も長袖の冬用に代わっているし、お元気そうなのですが、寒さがつのるにつれて泊る場所はこの田舎町にあるのかしらと気になっています。
バッタやツバメとちがうのは、三本の矢がどうたらとかお先真っ暗なこんな世の中では、いつか自分も同じようになる可能性がかなり高いのじゃないかと思ってしまうところです。
行政とかボランティア団体とか何もしないのかなあ。そんなことされると、かえって迷惑なのかなあ。
案外ホームレスじゃなくて、何かちゃんとしたお仕事をされているのかもしれないですが。
◇さて、お湯をわかして朝ご飯を食べなくては。今日も仕事は山積みです。
カツジ猫も書いているように、年末締め切りの原稿は何とかかっこうがつきました。一応編集の方にも「ほぼ最終稿」を送りました。
でも、別に信用もしていないけど毎日つい見る新聞の占いでは「最後の詰めが甘くて失敗する」と出ていたし、まだまだ油断はできません(笑)。