白いツユクサ
この数日、またウグイスの声がしていてうれしい。多分同じ鳥じゃないかと思うのだが、ものすごく節回しの上手な、最後まで「ホケキョウ!」と気持ちいいほど、きれいに鳴きあげる一羽がいて、例年この声を聞くと、「あんたかな」と思う。一回会ってみたい。
庭は草が伸びまくっているけど、琉球アサガオとかヤブガラシの蔦とか、昨年まで猖獗(しょうけつ)をきわめた(「悪事がはびこる」とかいう意味ね)やつらは、一本でもひょろひょろ伸びてきたのを見つけたら速攻で引っこ抜いてゴミ袋に入れて行くので、それはちょっと気分がいい。「ふふふ、去年とは情勢がちがうんだぜ」という感じ。
その中でもツユクサは、友人の亡きお母さまがお好きだったと聞いたことがあるのと、あのきりっとした青色は嫌いじゃないので、つい残しておくのだが、今年は何と咲き出した花が皆白かった。これはこれでかわいくていいんだけど、ただ、なぜ? ちがう品種なの、突然変異か何かなの?
グラジオラスはあいかわらずしゃっきりしているが、そろそろ花が終わりそうなので、おっかなびっくり一本だけ切って花瓶に入れた。すんごい長さすぎて見た目悪いが、迫力はある。ジャスミンもそろそろすがれて来て、かわりにニオイバンマツリが満開で、ぴりっと甘い香りをただよわせている。密生しすぎているので、ちょっとだけ切ってきて飾った。
海外ドラマ「ハワイファイブオー」の「張り込み」の回、面白くて何回も楽しんだ。これ、シダ泥棒に困ってるおばあさんのサブストーリーもいいし、室内だけの舞台劇みたいな部分が多いと、主役二人の俳優がふだんの荒っぽく激しいアクション場面だけじゃなくて、心理や内面を見せる繊細で微妙な演技でも実は一流でうまいんだなあということが実感できるのもいい。白猫さんの名演はもちろんすばらしい。
そう言えば私とカツジ猫について、「気の合わない相棒みたい」と評した人は、よもやこのドラマの二人(スティーブとダニ―)を連想したのじゃないだろうね。
たださ、こういうご時世だとさ、主役の刑事ふたりが、向かいのマンションの容疑者の張り込みするのに、旅行で留守中の老婦人の部屋を、大家のおじさんが抗議し抵抗するのを「裁判所命令だから」と一蹴して持ち主の許可もなく占拠しちゃうのを見てると、「あー、自公政権や改憲勢力がねらってる、作りたくてたまらないでいる『緊急事態条項』って、こういうことを常に可能にする法律よね。人の部屋も家も国の都合でいつ何時勝手に接収しても文句も言えない状態にするのが」とか思っちゃうので心臓に悪い。「ハワイファイブオー」は、知事から特別権限を与えられてるからだし、メンバーも優秀だが(だからいいってもんじゃないが)、今の日本でこんな法律がもし出来たら、とことん無能で危険でアホな警官でも刑事でも役人でも、赤の他人が、どかどか個人の生活に踏み込んで来るぞ、日常的に。
「緊急事態宣言」と名前が似ているのがごまかすのに都合がいいんだろうが、月とすっぽん、味噌と糞ほどちがうからな、この二つ。
庭のバラはますます満開。ピンクパンサーって名前らしい。でも前のと同様、その華やかさや見事さが絶対に写真でつかまえられないのがくやしいったらない。