白いバラと虹色のあじさい

昨夜からか今朝からか、もうたらいの底をひっくりかえしたような大雨で、クローゼットの窓を閉めなきゃなあと思いながら、猫のカツジといっしょに、うつらうつらしていた。夜がすっかり明けてから閉めに行ったら風向きのせいか、雨は降り込んでいなくてほっとした。土砂降りの雨の中、最後の燃えるゴミの網片づけに行ったら、近所のおうちの前で大きなキジ猫が所在なげに座って雨宿りしていた。あれはもしかしたら、うちにいる子猫のじゅんぺいのお父さんかも知れない。

別の家では塀の中から、まだ目も開かない白黒の子猫をくわえて飛び出して来た若い母親猫が、私を見てあわてたのか、子猫を雨の道に落としたまま逃げて行った。子猫はみゃあみゃあ鳴いていたが、もしかしたら母猫が戻るかもしれないと思って、そのままにしておいた。どっちみち、もうこれ以上私には子猫を助ける余裕はない。その少し後で見たら、母猫は別の子猫をくわえて同じ場所を走って行ったが、道の上の子猫は置きっぱなしていた。どうなったのかはわからない。エサをもらえなくなったので、猫たちは移動しはじめているのかもしれない。

でも、情にほだされて、エサをやる人もまだいるかもしれないし、まだどうなるかはわからないな。
とりあえず、毎朝猫の糞を片づけなくてもよくなったので、本当に息ができるほど救われた思いだ。こんなに毎朝が快適になるとは想像もつかなかった。まったく、あれ以上この状態が続いたら私は何をしたかわからない。まさかと思うが引っ越すか、家に火をつけたりして。
飼うか、避妊するか、トイレの管理をするか、ご近所に毎朝ごあいさつに行くか、そのどれかの覚悟がなかったら、猫のエサやりなどするべきではない。家族も地域も崩壊しかねない。

庭には白いバラが咲き乱れ、虹色のあじさいが満開になろうとしている。雨が上がったら、猫の再来にそなえつつ、庭造りをまた始めたい。

注文していた本が来て面白そうだけど、こうなったらとにかく「死者はいつまでも若い」を読み上げてしまうかな。どれだけ中身を覚えていられるかはわからないが。合間に気軽に若竹七海のミステリを読んでいるが、いいかげんに読み流すせいか、作者が頻用するアクロイド殺し手法のトリックが、いちいちめんどうくさくて困る。雰囲気は嫌いじゃないけども。

で、今朝物置に行ってみたら、じゅんぺい子猫が、箱や毛布で囲った一角から飛び出して、床をうろちょろしていた。こいつの好奇心と積極性から言って、早晩こうなるとは思っていたが、これでまた、隣室や外に行かないように、あっちこっちふさぐ工夫をしなくてはならない。みなきち子猫も慎重だが行動範囲を広げつつあるし。