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とうとう言われてしまいました

楽しい話題もお伝えしたいことも、いろいろあるのですが。

昨日でしたか、原稿の依頼(ネトウヨの人の誤解がないように言いますと、もちろん無報酬です)がありまして、お断りするのに、今の私の状況をお伝えするしかなく、「今年の二月に田舎の書庫に保管していた本や資料を、好意からのかんちがいで大量に捨てられ、老後の研究の予定が立たなくなり、もう未来の計画が壊滅したので、私は廃人状態です」と申し上げましたら、「ああ、それはもう、そちら(研究)の方面でなく、(政治や社会に関わる活動など)新しい方面に進めということなのでは」と返されました。

あの事件が起こったとき、私は誰かからこういうことばを聞くのを恐れて、ほとんど誰にも起こったことを言わないようにしていました。
けれど、とうとう、そういうことばを耳にしてしまったなという思いです。
口にしなくても、そう考えた人はきっと多かったのでしょう。
それが、今回私が、もう新聞もやめ、あらゆる活動への参加もやめると決意するようなことにもつながったのでしょう。

私にとって、このことばは、たとえば殺人犯に残虐に子どもを殺された親に、葬儀の席で「これであなたも、気軽にテニスが楽しめますね、海外旅行にも行けますね」と言うのと、まったく同じです。

それだけを、お伝えしておきたいと思います。

私は世の中に何があっても、署名もデモも何もせず、もちろん何の発言もせず、何なら選挙の投票にも行かず、自分の研究だけに打ち込む優秀な仲間たちを、自分はそうはできなかったけれど、決して軽蔑もしなかったし残念にも思いませんでした。
それは、心のどこかで、彼らは正しいのかもしれないと思っていたからでしょう。

自分の研究が大切だからこそ、それを守るために最低の社会的政治的活動はしておきたいと願ってやって来ましたが、そこでいっしょに活動する人たちは、私の大切なものを何とも思っていなかったし、私のことを何もわかっていなかった。
あらためて、それを痛感しています。

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カツジ猫