目に残る
買い物にも行かずに一日中、子猫のじゅんぺいのごきげんをとった。あ、授業ノートも作ったんだった。
じゅんぺいは、おかげで私にかなり心を許したようで、おもちゃで長いこと遊んだあとは、手の中でとろとろ眠ったりするまでになった。黒猫みなきちがいなくなったのは、そんなに気にしているようではないが、よくわからない。
時々身体をひっかくのが気になっていたので、ノミ取り櫛を買ってきて、ていねいに身体をすいてやったら、粉のような小さいノミがいた気がするけど、あまりに小さすぎてよくわからない。みなきちは、どうだったんだろう。気になるな。まあ、猫を飼い慣れているお宅のようなので、大丈夫だと思うけど。
彼はもうどこからどうするのか、テーブルの上に平気で上がって、ガラス窓から外を見ている。今日は物置を掃除して、寝床の位置もいろいろ変えた。次は隣のアトリエを片づけて、入られても困らないようにしておくか。
とにかく、あまりつきあい過ぎて、じゅんぺいの寝顔が目に残り、身体の手触りが手に残ってしまって、ちょっとうんざりする。早く貰い手を見つけなくては。
今日はいろんな人に断りを言った日だった。朝からご近所の方が庭にいつも入って来られるのを、花の種とかまいてますので、すみませんが入らないでいてくださいとお願いし、午後は市内のどこかからエホバの証人ですがとかかって来た電話を、仕事中ですからと断った。宗教の勧誘も、コロナのおかげで訪問から電話に切り替えているのだろうか。ご近所の方もいい方なのだが、何しろ庭によその人がいつ入って来ているかわからないと、カーテンを開けていたら、すぐそばだから外から中も見えるし、家の中でもくつろげない。何より、その状態に慣れてしまったら、本当に変な人が庭に入って来た時にも気づかなくなりそうなのが恐い。