砂糖のかたまり、ペルーの葡萄
私のいる下の家は、かなり気密性が高いので、あまり寒さは感じないのだが、それにしたって今日はやっぱり寒い(笑)。
夏とちがって冬の服は自分で洗濯できないからやっかいだ。昔、かなり上等のよそ行きのパンツをいくつか買っていて、中の二つを家用にしている。あと二つ、もっと昔に買った古いのがあって、えらく暖かいのだが、太っていたときのものなので、ボタンをつけかえないとゆるゆるだ。
裁縫箱はあるのだが、二年ほど前から行方がしれない。どこにしまったかどうしてもわからない。実はそういうものが、あといくつかあって、いつかは出てくるだろうと思いつつ、時が過ぎている。
去年、とうとう適当に針と糸を買って、チョコレートの空き缶に入れて臨時の裁縫箱にした。したらば、これがまた見つからない。今朝はちょっと気が向いたからボタンを付け替えようと思ったのに、どうしてもその缶が見つからず、引っかき回していたら、めちゃくちゃに押し込んでいた荷物の数々があふれだして、ぐわあと心が折れてしまった。
とにかく何か食べようと冷蔵庫を開けたら、昨日買った葡萄のパックが出てきた。シャインマスカットに似ているが、めちゃくちゃ安くて、ペルー産とあった。この夏ちょっと葡萄にはまって、種つき巨峰をせっせと食べていたのが、もう出なくなっていたので、このペルーの葡萄のパックを買ったのだった。
くしゃくしゃした気分のままテーブルに出そうとしたら、実が一個はずれてころころとほこりだらけのテーブルの下へ入ってしまった。ふざけんなとののしりながら、床に膝をついてのぞきこむと、葡萄もあったが何とひっくり返って落ちていた、チョコレート缶の裁縫箱もテーブルの奥にあるじゃないか。
感謝しつつ、落ちた実を拾って洗って食べ、見つかった裁縫箱で今夜はボタンをつけかえる。ついでに年賀状とクリスマスカードも書いちゃうか。多分途中で沈没するだろうけれど。
水回りは何とかきれいに保っている。IHヒーターの下の鍋を入れておく引き出しをあけて点検していたら、奥の方にずっと入れっぱなしで使わなかった大きな砂糖の缶が見えた。これこそ下手したら十年近く前のものじゃなかろうか。使えるのかしらと引きずり出してポリ袋に入ったままのを切り開いてなめて見たら、別に問題なさそうだ。
しかし、がちがちの巨大なかたまりで、少々のことでは砕けそうもない。何かにぶつけるか上から踏むかとか考えたが、それでも崩れそうに見えない。由布院の町の通りにあったどこかの店先(「花あそび」ってお店?)で巨大な岩のような岩塩が飾ってあったが、あれを思い出した。
しゃあないから、結局少しずつ包丁で削っている。はじめると、やめられないから困る。ごらんのようにタッパーに入れて行ってるが、また固まってはかなわないから、毎回しゃかしゃか振って崩している。
今夜はこれで、ぶりの照焼でも作るかな。