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磨かれる個性

明日から雨で気温も少し下がると言うんだけど、マジかしら。あんまり何度も、この手の予報に裏切られたから、とても信じられないわ。

体調は少しよくなって来た。念のためにあと数日だらだらしようか。夕方、友人から電話、夜にお客さんが来て、どちらとも長々くっちゃべって、少し頭がすっきりした。友人は暑さに慣れようとエアコンをつけないで三十六度の屋内で暮らしている豪のものだが、さすがに熱中症になりかけて、一日何も食べられず、卵かけご飯でかろうじて復活したらしい。私にも、卵を食えとしきりに勧めた。

昨日ホークスと日ハムの血で血を洗うような白熱した試合を、例によって横目で見ていたら、栗原選手が終盤にエラーして、それが得点につながりホークスが一点差で負けた。そして例によって、その後で栗原選手がしょげているのが、けしからん情けないとファンサイトで袋叩きにあっていた。試合後のインタビューでも「言うことはない、好きに書いて」しか言わなかったのがまた、選手会長にあるまじきと批判されまくっていた。かわいそうに。

何度でも書くけど、あれはあれで魅力なんだから、そっとしておくしかないだろうに。前の選手会長の中村晃、今宮、周東などの各選手も、近藤や牧原選手なども、あんな態度や発言は絶対しない、三十歳にもなって人の上に立つ器ではないと、言いたい放題言われているが、たしかにそれはそうだろう、そのめんめんは皆、舌をかみきってでもそんな発言はしそうにないが、逆に言えば、栗原選手の、あの素直さとナイーブさは、他の選手では真似ができない貴重さじゃあるまいか。

ぜんっぜん関係ないけど、私が大学に勤めてた頃、それぞれの先生たちの研究室にはだいたいそれなりのカラーがあったような気がする中、私の研究室の学生は、もののみごとにバラバラで、むしろ卒業までの間に、それぞれの特徴が強くなって、個性が鮮やかになる傾向があったと思う。私自身がその方が快かった。

他のチームのことは知らないが、ホークスの選手たちは皆それと似て、どんどん個性や特色が、プレイだけじゃなく人柄でも、強烈になって来るような感じがする。柳田選手はおおらかだし、中村選手は立派だし、近藤選手はしっかりしてるし、今宮選手は鋭いし、牧原選手のいじけっぷりも、周東選手のとんがりっぷりも、上茶谷投手の茶目っ気も、柳町選手の落ち着いたしぶとさも、前田投手のクソガキ(と言ってたのは周東選手で、「あのきれいな優しい顔で、そんなことを」とファンがあきれつつ喜んでて、私もそれは軽率でも乱暴でもなくそれなりの明確な判断や綿密な計算の結果だろうと信頼してるが、たとえば柳田選手はそんなこと絶対言わないだろうというのも確信が持てる)っぷりも、皆、余人をもって代えがたい、その人らしさを持っている。

だから、いいじゃないか、栗原選手も、不安定でデリケートで、周東選手をはじめとして皆が大事にして、気を遣って支えてやる選手会長になっとけば。悲しそうにしょんぼりベンチに座ってるのが、仲間も見慣れて、その分、無理も意地もない心からのうれしそうな笑顔が、皆の心の支えになる選手会長になってしまえば。それに何より、どっかの首相とはちがって、打席では仕事はちゃんとどころではなく、大いにやってのけてくれてるわけなんだし。
 
 肋骨折れても足くじいても疲れ果ててもどんな悲しいことがあっても、おくびにも出さずに、いつも笑顔で元気にチームを鼓舞する周東選手と同じことする必要はない。あれはあれで、もちろんとてもけなげで、いじらしくて頼もしくて魅力的だし、心から尊敬も信頼もするが、一方でその絶対に弱さを見せない、一点の曇りもない明るさの下で何をどれだけ耐えているのやらと、見ていて不安になることだってあるんだから。(だから「消えてしまったらどうしよう」とファンからやたらと心配されたりもするんだろう。)

幸いというか昨日は西武が負けたので、ゲーム差が変わらず、ファンも少しは大目に見たし(西武に勝ったロッテに感謝する、ロッテのお菓子を買うなどというコメントがファンサイトにあふれかえっていたのも笑った)、今日は上沢投手を筆頭とした投手陣の涙無しには見られないような奮闘で、躍動してる日ハムと引き分けに持ち込んだしで、ファンの怒りも頂点ではなかったけど、栗原選手をはじめとした野手の皆が、ヒット二本(柳町選手と山本選手)しか打たない中で、また栗原選手がけなされてる。私は少し前の書き込みで彼のことを、「優しくて無邪気で裏表がなくて、選手会長になったと聞いて今年の優勝は無理だと思った」と、とんでもないことをつい書いちゃったばかりなので、まさかそれが呼び水になったとかうぬぼれてはいないけど、何だか責任感じてしまうのよ(笑)。

と言いつつも、さらに恐ろしいことを言うと、そりゃ栗原選手会長の率いるホークスとしての優勝も日本一も見たいけど、それと引き換えに、彼が冷たく強く立派になって、あのあまりにも素直でナイーブな人柄が消えたら、それはそれで何だかもったいなさすぎる。日本一や優勝なんかと代えられん物を失ってしまうんじゃないか、とまで言ったら、それこそまた小久保監督や本多コーチをはじめとしたファンの皆さんから殺されそうですが、でも、そのくらいの気持ちでいた方が、今はチームも何かと楽なんじゃないですかねえ。

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カツジ猫