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祖母の日記3

※一九六〇年は安保条約改定でもめた年でした。祖母の日記にも、その事が何度も登場して居ます。

(六月十九日)「安保改定反対岸首相退陣解散要求で、こゝ一ヶ月ばかり国内は大さわぎしてるが、こゝら田舎は田スキで大わらわ、ストなどおもったこともないと云ふ風、自然に平和な日を過してる。」

(六月八日)「朝子に送金の御礼を書いた。この人にかく時が一番気持がいゝ。感謝とよろこびの心でかくから。

毎日毎晩テレビもラヂオも岸退陣、解散、アイク訪日反対、三池そうどう、同じことばかり。何ぼおえら方を集めて意見を聞いても同じこと。」

それにしても本当に来客が多く、毎日数人は来て夜中まで話をして行って居ますね。祖父は村医者でしたから患者も日に二十人程来て居るようで、手術の手伝いも祖母はして居ます。そして風呂は薪や枯葉で焚き、洗濯は川の水でして居ます。七十過ぎて居るのに何と言う忙しさでしょう。読んで居ると、小さく華奢だった祖母の姿が目に浮かび、今からでも抱き締めて手足をさすって色々といたわって遣りたい思いにかられます。
東京の朝子伯母への感謝が何度も出てきます。この伯母の送ってくれる小包などに祖母が随分慰められて居たのが良く分ります。

※キャラママさん

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カツジ猫