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私もだらだら。

◇ひさびさに見た海外ドラマの「グッド・ワイフ」は、やっぱり面白いなあ。ていうか、他のドラマに比べると、何だかすごく密度が高い感じがする。文芸作品みたいな感じ。
でもさあ、リドリー・スコットとトニー・スコットの兄弟が作ってるんだけど、たしか弟さんの方が亡くなったんだよね、去年だっけ。
まだ今は二人の名前が出てるけど、一人になっちゃったら、微妙に感じが変わったりするのかな。ちょっと心配。

◇放射能の被害を描いたロシア映画「カリーナの林檎」を見た。チェルノブイリの汚染地区に近いとこに住んでた少女が主人公で、別に泣かせようとしてるわけでもなく、ちゃんと作ってある映画で、俳優もみなうまくて、景色もきれいで、文句のつけどころはないんだけど、それだけにいっそう、救いようもなく、かわいそうなこの幼い少女が、なんかもう見てて、不幸すぎてイライラした私は人非人だなあ。

彼女は汚染地区に近いおばあちゃんの家が大好きで、そこでは生き生きしてるんだけど、町に避難してる叔母さん夫婦の家に戻ると、すごく沈んで「アルプスの少女ハイジ」状態になってしまう。お母さんは被曝して入院してるし、けなげな叔母さんも財政的に苦しくて、少女はなついてくれないし、イライラしてる八方ふさがり。

誰が悪いわけでもまったくなくて、皆がいっしょうけんめいで、でもあんまり救いがないから、やたらと沈みがちな、この少女にものすごくやつあたりしたくなって、彼女が町で迷ったり、ガンになったりするたびに、「ほら、だから言ったじゃない、あんたの自業自得よ、もうあんた助からないよ」と画面に向かって叫んでしまった。もちろん、この子はちっとも悪くないのに、でも見ててがまんできなくなる。

私はつくづく、抵抗できない、うまくやれない、自分の状況が理解できない、弱い人間が苦手なんだなと、あらためて思い知った。もしかしたら、このごろ私は、人類全体に対して、こんな感情を抱きそうになってるのかもしれない。ヤバいよなーまったく。

◇その後で見た「スノー・ホワイト」も、なんかいろいろしょうがなかったなー。これも白雪姫だから、リンゴが出てくるんだけど、こんなにたてつづけに、リンゴの話でこけてると、逆にみょーにリンゴを食べたくなる。明日買って来ようっと。

悪い魔女の継母を演じるシャーリーズ・セロンは、きれいだし、うまいし、好きな女優さんなんだけど、この映画では何だか、どういうセンをめざしてるのかが、とんとわからない役づくりだった。妖艶なんでもないし、すごい怪物でもないし、あれ、わざと人間っぽい哀れさをにじませたのかしらん。でもその結果、ものすごく影が薄くて迫力もない、魅力もまるでない魔女で、つまんなかったなー。「魔法にかけられて」のスーザン・サランドンのあの素敵な魔女が、つくづくもう、なつかしいよー。

むしろ、スノー・ホワイト役の女優さんはがんばってたな。最近のおとぎ話を女性の戦闘話にするのは、さすがの私もちょっと食傷気味なんだけど、それはそれとして、パワフルな美しさは一応あったんじゃなかろうか。もっともあれじゃ魔女なんて、最初からあっさり勝てそうな感じもずっとしてたけどさ。

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カツジ猫