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美しい選手

昨日だったか、ぼけっとテレビを見ていたら、ソフトバンクホークスが地元のペイペイドームでの最後の試合で勝って、そのあとファンに向かってリーグ優勝を報告するイベントをやっていた。ファン代表であいさつしたのは、自分も野球をやっている小学生ぐらいの男の子で、亡くなった祖父がホークスファンだったこと、自分はスピードスターの周東選手のファンで、「打っても守っても走っても美しく、僕の目標で、神です」と断言したので、球場も選手たちも大受けしていた。まじめな顔でいようとしていたらしい本人も、神と言われてさすがに笑ってしまっていた。

去年はたしかファン代表は同じぐらいの年齢の女の子で、中村晃選手が大好きと宣言して、わかっとるなあとか、渋いとか、ファンサイトでも感心されてて、やっぱり大受けだったのを思い出した。それにしても、あんな小さい男の子で、ひいきの選手をほめるのに「美しい」ということばを使うのは、珍しいなと思ったが、大人の手が入ってるのかという疑いは全然感じなかったのは、たしかに子どもにもそう見えるのかもしれないと納得したからだろう。

周東選手の魅力というのは、プレーや成績を別にすれば、主として二つだろう。その性格の複雑さや多様さ(冷静なようで熱い、まじめな努力家なのに人なつこくて天然っぽい、したたかなのに繊細、陽気で優しいのに荒々しくて激しい、不安定なようで堅実かつ着実、などなど)と、その動作すべての美しさ。後者については、アスリートともダンサーとも動物とも機械とも、どこかちがった独特のなめらかさやしなやかさがあって、例えるものが見つからない。しいて言うなら、風とか雨とか木々とかいった自然現象の動きに近い(笑)。それは、子どもの目にもわかる、他の言葉では言い表せない「美しさ」なのかもしれない。

その後の小久保監督のあいさつも、いつものように行き届いていて無駄がなかった。いつもどこやら報われないで、本人もいじけてるようなのが魅力的な牧原選手が、育成選手初の首位打者のタイトルに輝いたのも本当に喜ばしいし、万事ひかえめでつつましい柳町選手の最高出塁率のタイトル獲得もよかったなと安心する。
 他の選手たちも、それぞれに個性的なたのもしさがあって見ていると楽しい。それにしても復帰してきた柳田選手は、あいかわらず、いるだけで華やかだなあ。

「しんぶん赤旗」が紹介していた、「ジェイムス」という小説と、戦争トラウマについての本を注文したのが届いたので、一気読みした。
 「ジェイムス」は、「ハックルベリー・フィンの冒険」のいわば二次創作物なのだが、黒人奴隷ジムの語りで、最近「ハックルベリー・フィンの冒険」の新訳を読んではまっていたばかりなので、やたらめったら面白かった。もう一冊の方についても、かねがね思っていたことばかりだったので、書ききれないほどの感想がある。これはどっちも、明日また書こう。

写真は、元気のなくなった花の中から、まだ飾れそうなのをまとめたもの。地味だけどおしゃれな感じで、ちょっと気に入っている。

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カツジ猫