若葉の誘惑

朝からずっと雨がしとしと音もなく降っている。おかげで授業の資料とかを、ぬれるのが恐くて車から下ろせない。まあしゃあないか。

庭仕事はできないのだが、花は勝手に咲き続けている。春蘭もあちこちで威勢よく開き始めた。エニシダがわりときれいに長持ちするので味をしめて、こちらも初めて今年切り花にした。エニシダと合わせると、ものすごく映える。うれしいが、今、私の家は散らかりつくしていて、この花しかきれいなものがないのが、ちょっと悲しい（笑）。きれいに片づいた部屋の中でこの花を見たらまあ、どんなに心が休まるかしれないのに。うれしまぎれに、まるで同じような写真を二枚とってしまった。

奥庭のモッコウバラもどんどん栄えて、早く垣根に誘導しないとどうなることやら見当もつかずに、あせる。他のバラたちも元気につぼみをつけ始めていて、黄色いバラがきれいなので、つんできた。香りもなかなか悪くない。

香りと言えば、最近じだらくにプロ野球とジグソーパズルにだらだら時間をついやしていたら（しばらく負け続けだった西武を、他の十一球団のファンがはげますという、しょーもない欄があって、いろいろ毒のあるコメントの多い中、「うちに比べれば…」みたいなことを言ってるのが日ハムのファンに多くて、何だかチーム全体がかわいいなと思ってしまった）、ホークスがまた新企画で、選手の好みの香水を作って売り出すらしい。きっと西田広報あたりが考えているんだろう。

それで、栗原選手が、その香水を作っている場面（仲がいいらしい周東選手が最後に来て、おちょくっていたが）を見ていて、すっかり驚いたのは、ホークスに限らず選手は皆、上等の香水をつけていて、「持ってくるのを忘れたら借りてでもつける」「三つぐらい持ってる」「よそのチームでは堂林選手と浅村選手がいい匂いがして、キャッチャーをしてるとき、思わず打席の堂林選手に『何つけてるんですか』と聞いたら『後で画像送るわ』と言ってくれた」「今宮選手はずっと変わらない香水を使っている」「甲斐選手の香水も好き」とか栗原選手が話してるので、いろいろ仰天した。打席で捕手と打者が、そんな話をしてるのかーい。
　ドームに観戦に行く金も時間も体力もないが、ちょっと彼らの香水を買って見たくなった私もバカすぎる。ネットで買えませんように。きっと買っちまうから（笑）。

あ、そうそう、タイトルの意味を書いてなかった。花もだが、少し前から、木々の若葉がもう悪魔的に美しい。やわらかな若芽が茶色がかってみずみずしくのびている。だけどよ、毎年これでうっとりして、ついそのままにしておくと、あっという間にたくましい葉っぱになって枝を伸ばして、ジャングル化するのよ。わかっていても、とても刈りこめない。ああ。

でも、ここしばらく元気がなくて葉を落としているようにも見えた、わが家のシンボルツリー、「キャラの木」と私が呼んでる巨大なキナモチの木が、どうやら元気に若葉を芽生えさせているのは、天にものぼるほどうれしい。このところずっと、このことが心配で毎日見上げていた。夏にはセミが来るし、小鳥も巣をかけたことがある。どうか元気でいつまでも栄えてほしい。