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菅さんと「生きる」

このごろ近辺でよく救急車を見かける。こんなに見ることはなかったから、きっとコロナ関係だと思うと恐い。
自分もいつ感染して重症化するかわからないのに、のんきな妄想をしている場合ではないが、もうとっくに末期症状を通り越しているとしか思えない菅政権を見ていると、黒澤明監督の「生きる」(以下ネタばれ)を連想してしまう。

あらゆる意味で菅首相に同情などしないが、式典に一分遅刻しただけで、あれだけたたかれるというのも、もはや何をしても挽回不能な評価になっているようだし、あとはもう、「生きる」の主人公のように、がらっと姿勢も視点も変えて、世のため人のため弱者のため、全力で邁進して、突き進むしかないのではないだろうか。冗談でなく、それしか道はないように思うが。

「生きる」の映画が、見る者の胸をおののかせるのは、とことん無気力で受け身で生きてきたしがない公務員が、自分をなげうち保身を忘れ、何かを積極的にやってやってやりぬこうと決意した、その生き方を選ぶ姿だ。それが、誰にでもできることではないことも、しっかりと描いている。続きも、広がりもしないだろうこと、それでも価値があることを。

主人公がそういう生き方をしはじめるのは、不治の病のせいもある。菅さんは別に病気にならなくてもいいが、今の状況や様子を見ると、精神的には似たようなもので、もう、人間として生きるなら、あの映画の主人公のように180度ちがった方向から、自分の持っている力を、弱い無力な人々のために使って使って使いつくすしか方法はないのではないか。

それにしても「生きる」は、古くて新しい。型通りのようで、そうじゃない。予告編ではまだまだ魅力が伝わらない。あらためてでも初めてでも、ぜひ皆さんに見てほしい。

写真は、枯れたと思ったらよみがえった、ポトスです。

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カツジ猫